
FXは手元資金が少額でも大きな利益を出せる取引として、個人投資家に非常に人気の高い金融商品です。
ネットを見てみるとFXで大きな利益を出したという記事をたくさん読むことができます。
しかし「億り人」と呼ばれる1億円以上の利益を出している人がいる一方で、FXで大損した方も数多くいます。
FXはうまく利用すれば大きく利益の取れる金融商品ですが、場合によっては致命的な損失を出してしまう取引です。
FXによって多くの投資家が破産しているのも事実なのです。
今回は、FXの失敗事例について解説します。FXの失敗事例についてしっかり理解してFXで利益を取れるようになりましょう。
この記事の目次
FXで失敗してしまう主な要因は5つ
FXでお金を失ってしまうそれぞれの理由について詳しく説明していきます。
軽い気持ちで始めて勉強をしない
FXは、FXの勉強しないで勝てる程甘い取引ではありません。初心者の方の中には、「FXは為替が上がるか下がるかの2択を充てる勝負でしょ?簡単に勝てそう!」と思っている方もいるかもしれません。勉強をしないでビギナーズラックで勝てることもありますが「ラッキー」は長く続きません。
長続きしないどころか、今まで得た利益を一気に吹き飛ばし、大きな損失を負ってしまう投資家は非常に多いです。
ビギナーズラックでFXに勝てたとしても、その後も勝ち続けることはほぼ100%無理と言えます。
メンタル面の重要性
FXで勝つためには知識面も重要ですがメンタル面も非常に重要です。FXで勝つためには強い心が必要なのです。
すべての取引で、100%利益を出せることはまずありません。含み損を抱えることも多いでしょう。そんな時に冷静に為替の動きを分析する強靭なメンタルが必要なのです。
メンタル面の失敗で多いのが、含み損を負っている時です。特に資金に余裕がある時は要注意です。
多くのFX投資家は資金面に余裕があると、含み損を一刻も早く解消するため、「ナンピン」をします。
ナンピンとは、為替が下がった時に購入して、平均購入単価を下げる方法です。ナンピンをすることによって当初のレートまで為替が戻らなくても含み損を解消することができます。
ナンピンは効果の高い方法ではありますが諸刃の剣の手法です。そもそも現状下がっているには理由があります。理由を考えずにナンピンしてしまうとさらに損失は膨らんでしまいます。
このようにメンタルが弱いと安易にナンピンなどをしてさらに大やけどしてしまうことになるのでFXで勝つためにはメンタルは非常に重要です。
損切りができない
先ほどのメンタル面にも関わってきますが、FXで大損をしてしまう大きな原因は損切りができないことです。
FXには数ある取引手法がありますが、取引手法を覚える前に最初の覚えるべきことはこの損切りです。
損切りの判断ができずに塩漬けにしておき結局大きく損失を出してしまうパターンは非常に多いです。
損切りは言葉にするほど簡単にできるものではありません。人間の本能は損切りをすることを拒絶しているからです。
本能で拒絶をしている損切りを行うには資金管理と緻密な損切りの仕組みを作ることが必要です。損切りの仕組みをしっかり作らずに、感覚に頼っているといざ損切りをしなければいけないときが来た時、損切りを実行することは不可能です。
感覚に頼るのではなく具体的なルールが必要なのです。
資金管理も非常に重要です。常に冷静に資金管理をしなければ負けが膨らんで来た時や、勝っている時になんの根拠もなくエントリーしてしまうことになるからです。
損切りを自分の決めたルール通りに行うことによって初めてFXで勝つことができるようになるのです。
変動率の高い通貨ペアで取引をする
ポンドや豪ドル、NZドルなどは、メジャー通貨である米ドルに比べてかなり動きが激しいです。動きが激しい分それだけ利益が取りやすいことになりますが、その分大きな損失を負ってしまう可能性もあります。
特にポンドは1日に数円動くことも珍しくないので、日本のFX投資家に非常に人気のある通貨です。
うまくハマれば大きな利益を出すことができますが、値動きが激しすぎて大きく損失を負ってしまう人が多いのも事実です。
FX会社によってはブラジルレアルやトルコリラなどの新興国通貨でFX取引をできる会社もあります。新興国通貨はスワップポイントが高く値動きがあるので多くの個人投資家は取引をしています。
しかし新興国通貨の場合、2018年8月に起きたトルコリラショックのようなことがあると大変なことになります。1日で10%以上の値動きをしたこともあります。
トルコリラショックの時は、多くの方がロスカットでは間に合わずマイナス残高(≒借金)を背負ってしまいました。
このようにポンドや豪ドル・新興国での運用は、うまく取引をすれば利益も大きくなりますが、失敗の大きな原因にもなるのです。
スワップポイント狙いで取引をする
スワップポイントは毎日もらえる利息のようなものです。長期トレーダーの方の多くはスワップポイントを重要視しています。
なぜならデイトレードのようにキャピタルゲインを小刻みに狙う方法ではないからです。数か月から数年程度かけて大きなキャピタルゲインを狙うのが長期トレードの基本ですが、ポジションを保有している間にもらえるスワップポイントは非常にありがたいものなのです。
スワップポイント狙いで取引をすること自体、悪いことではないのですが、FX初心者の方にはおすすめできません。
なぜなら長期トレードを行うには資金管理が非常に重要になってくるからです。リーマンショックやコロナショックのようなことがあると相場は大きく下落します。
一時的なことかもしれませんが、下落時に強制ロスカットにあってしまったらそのあとどんなに相場が戻っても後の祭りです。
かなり資金に余裕がないと長期トレードで成功するのは難しいのです、最も最悪なのがトルコリラなど高金利通貨を使って長期トレードをすることです。トルコリラのスワップポイントは非常に高いです。10,000通貨持っていれば毎日100円くらいのスワップポイントが付きます。この高金利に惹かれて多くの方がトルコリラで長期トレードをしているようです。
相場平常時は全く問題ありませんが、いつ相場が急変するかは誰にも分かりません、
相場が急変すると最も大きな影響を受けるのは新興国通貨です。
コツコツ貯めてきたスワップポイントを超える損失を一瞬で受けることもあるので、FX初心者の方は、スワップポイントが高いといって安易に取引をするのはやめましょう。
FXで失敗しないために覚えておくこと
FXは口座を開設したり1回取引をすればキャッシュバックを受けることができるキャンペーンを各社よくやっています。
キャンペーン目当てにFXを始めた方も多いと思います。またビギナーズラックでなにも勉強しないでも勝てた方もいるかもしれません。
繰り返しになりますが、FXはそんなに甘いものではありません。FXで勝つためにはエントリーのタイミングをしっかり根拠を持って行わなければいけませんし、売買のタイミングにも根拠が必要です。お金の管理もしっかりする必要があります。
FXで失敗しない最大の秘訣は「FXはリスクが高い金融商品であること」をしっかり自覚することです。
これはいくら人にいわれても自分で納得しなければいけません。大きな失敗をすれば誰でもFXは怖いものだと自覚します。
しかし失敗する前に自覚することができれば大きな損失を回避することはできるのではないでしょうか?決して気軽な気持ちでFXに手を出してはいけないのです。
FXで勝つために必要な2つのこと
FXで失敗する要因について説明してきましたが、さいごにFXで勝つために必要なことを2つお伝えします。
継続的な勉強と情報収集
残念ながら、FXでこれをすれば失敗しないといった絶対的な解決策はありません。
FXはプロでも継続的に勝つのは難しい取引です。常に勉強をすることが重要であり、だからこそ数多くのセミナーや有料スクールがあるのです。
「必ず儲かる」「だれでもかんたんにすぐ億万長者になれる」などという甘い文句に踊らされず、FXにしっかり興味を持って、情報収集や勉強をしてみてください。
FXで勝つための勉強には大きく2つあります。1つ目は経済・金融の勉強。2つ目は、チャートなどのテクニカル分析です。
FXで勝つための勉強方法①経済・金融の勉強
FXは為替がどのように動くかを予想して取引をする金融商品です。為替の動きは経済や金融の様々な事象が密接に関わっています。
アメリカの雇用統計などのように発表の直後大きく為替が動く経済指標もあります。事前に重要な経済指標について知っておく必要があります。
また取引している通貨の国の状況だけでなく世界的な流れについても理解していなければ、為替の動きを予想することはできません。
経済や金融の知識なしに為替の大きなトレンドを読むことはできないのです。
FXで勝つための勉強方法②テクニカル分析
また経済や金融の基本的なことだけでなくチャートをしっかり読めることも重要になります。チャートを読むにはツールやテクニカル分析の勉強が必要です。数あるテクニカル指標の意味をしっかり理解して自分にあったものを見つけることは想像以上に大変です。
FXに勝つためにはしっかり勉強しなければいけないにも関わらず、FX初心者の多くは勉強をしていません。これは誰でも手軽に始められるようになったことや、さも簡単に儲けられるようなインターネット上の情報にも原因があるでしょう。
FXで大損をしてしまう大きな理由の1つには勉強不足があると認識しておきましょう。
メンターや投資仲間をつくる
FXで勝つために必要なことの2つ目は、投資のメンターや、投資仲間をつくることです。
自分が「投資をしている」ことを友人や同僚に話している方は少なく、「投資の話は投資仲間とだけする」という方が意外と多いのです。そのため、投資関係の人脈がないと孤独を感じやすくなり、その精神状態が取引に悪い影響を与えたりします。
投資で困ったことや悩みがあるときに相談に乗ってくれる投資仲間やメンターのような存在は、とても重要です。FXセミナーに参加したり、有名トレーダーのコミュニティに参加したりして、投資仲間の人脈をつくりましょう。