塩漬けは悪?あえて塩漬けにしておく3つの理由

リーマンショックやコロナショックのような経済危機は定期的に起こります。このような経済危機が起こると、株式やFXなどの投資をしている方の多くはスマホやパソコンでチャートを頻繁に確認することになります。

相場が急変すると精神状態が安定しない方も多いでしょう。よく眠れない方も多いかもしれません。相場の乱高下は大きく投資家の心をざわつかせますよね

もちろんこのような経済ショックのときに大儲けをしている投資家もいます。しかしそのような方は圧倒的に少なく、大半の方は大きな含み損を抱え心穏やかでない日々を過ごすことになるのではないでしょうか。

このような相場環境だと含み損は日々膨らみますが、なかなか損切りに踏み切ることは難しいです。多くの方は塩漬けにせざるを得ない・・と思っているのではないでしょうか?

一般的に投資の世界では、含み損が生じたときは損切りをするべきだといわれています。しかし、あえて塩漬けにしておくという選択肢も確実に存在するのです。

今回は、投資の世界で使われる塩漬けについて詳しく説明します。

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塩漬けとは

時計と貯金箱の画像
塩漬けとは「しおづけ」と読みます。株式投資などの投資の世界で使われる塩漬けは、魚介類など腐敗の進みやすい食品を食塩で保存することではありません。

投資の世界では含み損を抱えたまま長期で保有することを塩漬けといいます。

一般的には”塩漬けイコール悪”というイメージがあります。塩漬け中のポジションを持つと、その分ほかのトレードに使える資金が減ります。

投資家は、相場が戻るのを待つしかありません。やがて含み損が資金を圧迫し、新たなエントリーが出来ない状態に陥ります。そのため絶好のエントリーの機会がきたとしても、黙って見ているしかありません。

自分の思うようにトレードできないストレスや、いつロスカットになるかもしれないという不安が投資家の精神を蝕みます。

ゆえに塩漬けはやってはいけない事、これを防ぐために”エントリー時にはストップロスを必ず入れるべし”どの入門書を見てもそう書かれています。ですが本当に塩漬けにメリットは無いのでしょうか。塩漬けポジションを持つことはトレーダーとして失格なのでしょうか。

実はそんなことありません。むしろ資金的な余裕がある場合は塩漬けした方が本来良いのです。

塩漬けにしておく3つの理由

チャートの画像
塩漬けをした方が良い主な理由は3つあります。

相場は戻ってくる

相場の多くはレンジ相場です。チャートは一定の幅を上下に推移します。相場が為替レートの比率、数字の変動であるかぎり、大局的にみて一定の動きをする事は数学的な真理なのです。

ドル円はリーマンショック時に87円まで下がりましたが、現在(2020年4月時点)では107円台です。当時の円高を塩漬けで凌いだ投資家の方々は、大きく資産は回復しているといえます。

ブラックマンデーやリーマンショックなどの過去の危機を経て、現代の金融システムは極端な暴落/暴騰が発生しにくいように進化しました

相場を牛耳る巨大証券会社や機関投資家がこぞって採用するAI自動トレードシステムは、機械的な資金の流れを生み出し、個人投資家による裁量トレードの流れを圧倒しつつあります。

個人投資家の資金はその大きなうねりに飲み込まれています。これはメンタルに左右される事のない、純粋に数学的な法則に基づき変動する相場の出現を意味します。

少なくとも国際通貨の基軸であるドルは、今回のコロナショックをも乗り越え、たとえ二番底が待っていたとしても、再びレンジ相場を形成するだろうと推測されています。塩漬けにしたドル円のチャートが元の状態に戻る可能性は極めて高いのです。

また株価にしても、優良な株式の場合、一時的に株価が急落しても必ず株価は戻してきます。資金的な余裕があれば、何年か塩漬けすることによって資産を回復させることは十分可能なのです。

しかし余裕資金での運用ではない場合、何年も塩漬けにしておくことは不可能です。やはり投資は、余裕資金で行うことが重要です。

スワップや配当目的の投資と考える

塩漬け期間中は常に含み損を抱えている状態であり、その数字を見るたびにメンタルは脅かされ、ついつい損切りをしてしまいたくなることでしょう。

でもそんな塩漬けのポジションも、少額ではありますが利益を着実に生み出しています。塩漬けの時に利益をもたらしてくれる代表的なものはスワップ金利や配当です。

どれくらいのスワップ金利や配当が発生しているか、一度計算してみる事をおすすめします。そしてどれだけの期間を我慢すれば、スワップ金利や配当でが含み損をカバーできるか、計算してみるのです。

売却をして損切りをするのは、その判断をしてからでも決して遅くはありません。

他の投資対象に投資をするきっかけになる

リーマンショックやコロナショックのような経済危機はFXだけではなく、株の相場にも大きな影響を与えました。「保有株で大きな含み損を抱えてしまった。しかし損切りするにはいかにも惜しいから、その株はひとまず塩漬けにして、新たなトレードを始めよう」と考える方もいます。

その場合、株の塩漬けポジションがFXの運用に役立ちます。その塩漬け株を「代用有価証券」としてFX取引の証拠金に充てるのです。

代用有価証券により現金不要でFX取引が始められます。株取引とFX取引の両方が可能な会社に限定されますが、口座に預ける証拠金として、塩漬け株の株式時価の70%が利用出来ます。

つまり塩漬け株が、FXの資産となるのです。もちろん塩漬けであるとはいえ、保有株の配当金や株主優待はこれまで通り受け取る事ができます。

塩漬けしているとはいえ、資産である事には代わりはないのです。

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塩漬けするかしないかは投資家しだい

チャートを見て悩んでいる男性
今回は、損切りをすすめるのではなく、あえて塩漬けにする理由を考えてみました。投資の世界のセオリーでは損切りです。しかし大きな損失は味わいたくないという投資家の気持ちは痛いほどわかります。

今後も大きな相場変動は発生するでしょう。ロスカットに耐え切るだけの資金量を持っていますか?、長期の含み損に耐えうるメンタルはお持ちでしょうか?どちらもあるならば、塩漬けも選択肢として十分有効な方法です。

結局は”損切りをするか塩漬けにするか?”は投資家それぞれの投資スタイルによって選択するものになるのです。

投資は余裕資金での運用が大切

塩漬けは一般的には投資の世界では「悪」だと思われています。しかし投資家の資金状態や保有している銘柄によっては、塩漬けすることは決して悪ではありません。

なんでもかんでも損切りすれば良いというものではなく、特に長期目線で考えた時、塩漬けは有効な選択肢になります。

塩漬けを成功させるためには、余裕資金で投資を行っていることが非常に重要になります。余裕資金で投資を行えば、株価や為替が急落しても一喜一憂する必要はありません。余裕資金で投資を行わないから相場動向によって一喜一憂するのです。

この記事で、今一度、投資は余裕資金での運用が大切であることも再認識してくださいね。

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