コアサテライト戦略はリスクを抑え市場平均以上のリターンが狙える

投資におけるリスクとリターンのバランスをどう取れば良いのか、悩んでいる投資家は多いです。

大きな利益を狙うなら米国成長株投資ですが、それだけではリスクが大きく多額のお金を溶かしてしまう危険性があります。一方で、固くインデックス投資だけではお金が増えにくく、もう少しパフォーマンスを上げたいと退屈感を抱く投資家は多いのです。

そこで、ちょうど良いバランスを決める一つの考え方が「コアサテライト戦略」です。中長期で運用するなら、攻めと守りのバランスが取れたこの戦略がぴったりです。

この記事を読めば、リスクを抑えながら、投資をより楽しめる方法がわかります。

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コアサテライト戦略とは?

コアサテライト戦略とは、「コア(中核)」と「サテライト(衛生)」の2つのカテゴリーで投資商品を分けて運用することです。

コア ⇒ 運用資産の中核となる部分
サテライト ⇒ 運用資産の中核の周辺をまわる衛生部分

簡単に言うと、ローリスク・ローリターンの商品と、ハイリスク・ハイリターンの商品の両方に投資をしましょう、という戦略です。ローリスク・ローリターンをコアとして多めの割合にして、ハイリスク・ハイリターンの商品をサテライトとして少なめに投資します。

一気に分散効果を手に入れる方法として全米株式に投資するようなETFをひとつあなたのポートフォリオに組み込み、それにあなたの全投資資産の半分とか3分の2を割り当てることでしっかりとした核(コア)を形成するというやり方があります。これであなたのポートフォリオが他人よりも劣後するリスクは大幅に軽減することができるのです。

そして余った資金でグロース株などの個別株投資をすれば良いと思います。このようなやり方をコア・サテライト戦略と呼びます。

コアサテライト戦略のメリット

コアサテライト戦略のメリットは、リスクを低めに抑えながらも、リターンを取りに行けることです。順を追って理由を解説していきましょう。

まず、コア部分は安定的な値動きをする商品で運用します。ポートフォリオの8割程度をコアで運用すれば、値動きが小さく手堅い運用が可能です。

ただし、リスクを低めに抑えるため、リターンもやや控えめになってしまいます。そこで、サテライト部分ではリスクを取ってリターンを狙いに行ける商品で運用します。

リスクを取ると言うと不安になる方もいるかもしれません。しかし、サテライト部分をポートフォリオ全体の2割程度に抑えておけば、資産全体がリスクに翻弄される可能性はかなり低いです。

このようにコアサテライト戦略では、コア部分で安定重視の手堅い運用を行い、それと引き換えに物足りなくなったリターンをサテライト部分で取りに行くことができます。リスクを抑えつつリターンを狙えるのが、コアサテライト戦略の大きなメリットです。

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コア部分におすすめの投資商品

コアサテライト戦略の仕組みを理解したら、次は具体的にどのような商品に投資すれば良いのかを解説していきます。

まずはコア部分におすすめの投資商品を3つ紹介します。以下の3つの商品をコアとして、ポートフォリオ全体の8割程度になるように投資をすると良いでしょう。

1. インデックス型投資信託
2. ETF
3. 先進国の国債

インデックス型投資信託

投資信託とは、投資会社にお金を預けて代わりに運用してもらう商品です。「インデックス型」というのは、投資信託の運用方法です。

インデックス型の投資信託では、投資会社は市場平均と同じくらいのパフォーマンスを狙って運用します。日経平均株価やTOPIXのような市場を代表する指数に連動するように運用することで、市場平均と同程度の運用成績になるよう工夫しているのです。

したがって、市場平均に比べて大きく得をする可能性も低いですが、平均より大きく損をするリスクも非常に低いです。このような理由のため、インデックス型の投資信託はローリスク・ローリターンの商品で、コアサテライト戦略のコア部分にぴったりです。

ETF

ETFは上場投資信託のことで、投資信託の仲間です。国内のETFは、上述した投資信託と同様にインデックス型の運用をしているため、ローリスク・ローリターンな商品です。よって、コアサテライト戦略のコア部分にぴったりと言えます。

投資信託と異なるのは、ETFは証券取引所に上場していることです。上場しているため取引方法が異なり、ETFは証券会社を通じて証券取引所に売買の注文を出して取引します。

証券会社や銀行の窓口で購入できる投資信託と違い、証券取引所への注文を出すため、ETFの方が取引方法はやや難しいです。ただし、ETFの方がコストが低く抑えられており、若干利回りが高い傾向があります。

先進国の国債

国債は、国が資金調達のために発行する債券です。あらかじめ決めた満期までの間は利息をもらうことができ、満期になると元本が帰ってきます。

国債は発行元が国なので、先進国の場合はリスクが低い商品です。特に日本の国債は財務省が元本保証と公言しており、ローリスク・ローリターンな商品です。先進国の国債は、コアサテライト戦略のコア部分に向いています。

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サテライト部分におすすめの投資商品

次に、サテライト部分におすすめの投資商品を3つ紹介します。以下の3つの商品をサテライトとして、ポートフォリオ全体の2割程度になるように投資をすると良いでしょう。

1. 株式
2. アクティブ型投資信託
3. 不動産

株式

株式は、企業が発行する株式を買うことで出資者の1人になる投資商品です。企業が事業で利益を出したら、一部が配当金として投資家に分配されます。また、株式を安く買って高く売る事でも利益を出せます。

さらに、株主優待も期待することができます。一部の企業では株主優待の制度を導入しており、株主に自社製品やサービスの割引券を配布しています。優待を上手に活用すれば日常の支出を少なくすることができ、節約にも役立ちます。

株式は企業が成長すれば大きな利益が期待できます。しかし、狙ったとおりに成長できない可能性もあります。上述した商品よりはリスクが高いので、コアサテライト戦略のサテライト部分に向いています。

アクティブ型投資信託

投資信託は、インデックス型とアクティブ型の2つに分けられます。インデックス型は上述のとおり市場平均並みのパフォーマンスを目指す商品です。一方のアクティブ型は、インデックス型のパフォーマンスを上回ることを目指します。

方法としては、投資信託を運用する会社で投資先を厳選することで、より高いパフォーマンスを目指せるようになっています。

ただし、目論見が必ず達成されるわけではなく、アクティブ型投資信託も上手くいかないことはあります。インデックス型よりもリスクを取ってリターンを狙う商品のため、コアサテライト戦略のサテライト部分に使うことができます。

不動産

不動産投資は、マンションやアパートを購入して他人に貸し出し、家賃収入をもらう投資方法です。また、不動産の価格が上がったら売却して、差額を利益とすることもできます。

不動産投資は安定した収入が期待できる投資方法です。一度入居した人は数年間は同じ部屋に住んでくれると考えられ、一定の収入が継続しやすいためです。

ただし、入居者が見つからず空室のままになったり、設備の故障などの修理にお金がかかったりするリスクもあります。そのため投資信託などよりはリスクが高く、コアサテライト戦略のサテライト部分に向いています。

悩んでいる方は8:2でコアとサテライトを分けて

コアサテライト戦略について解説してきました。8割ほどはローリスク・ローリターンの商品で運用し、残り2割ほどをハイリスク・ハイリターンの商品で運用するのが、コアサテライト戦略です。

コアサテライト戦略を意識して投資をすれば、全体的には値動きが少ないものの、リターンも狙えるポートフォリオになります。どんな商品にどれくらい投資したら良いのか悩んでいる方は、8:2の割合でコアとサテライトを分けて投資してみてください。

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