
ベンチャーキャピタル(VC)への投資は、ハイリスク・ハイリターンと言われています。リスクは大きいですが、上手くいけば10年でお金を5倍に増やすこともできる投資方法です。
この記事では、ベンチャーキャピタルとは何か、メリットデメリットには何があるのかを解説していきます。
ハイリスクな投資方法なので、利回りにつられて安易に投資をしないよう、正しい知識を身に付けましょう。
この記事の目次
ベンチャーキャピタル(VC)とは?
ベンチャーキャピタルとは、スタートアップ企業に出資する投資会社のことです。短期間で成長する企業に初期から投資をするので、短い期間で大きな利益を狙えるのが特徴です。
ベンチャーキャピタル(venture capital)の頭文字をとってVCと略されています。
ベンチャーキャピタルにはハイリターンというメリットがありますが、ハイリスクというデメリットもあります。超ハイリスク・ハイリターンな投資方法なので、安易に投資を始めるのは良くないです。メリットとデメリットを理解してから投資をしましょう。
ベンチャーキャピタル(VC)のメリット
ベンチャーキャピタルのメリットは、非常に高い利回りが狙えることです。
ベンチャーキャピタルの目標利回りは、年率15%〜20%くらいを掲げる会社が多いです。投資したお金が、10年で4倍から6倍に膨らむと言い換えられる利回りです。
毎年これを実現できたら、かなり優秀なベンチャーキャピタルであり、投資家は大儲けできます。より一般的な投資方法である、投資信託や株式、不動産の利回りと比べてみましょう。
投資信託は年率1%〜3%程度、株式は3%〜7%の利回りに落ち着くのが一般的です。不動産は、運用方法によって利回りが大きく変わるのですが、平均は5%程度とされています。
これらと比べると、15%〜20%もの利回りを狙うベンチャーキャピタルの凄さをご理解いただけると思います。未上場でこれからの成長が見込める企業にピンポイントで投資を行うため、非常に高い利回りを目指すことができるのです。
ベンチャーキャピタル(VC)に投資するデメリット
一方で、ベンチャーキャピタルはリスクも非常に高いデメリットがあります。設立したばかりのスタートアップ企業すべてが成長するわけではなく、一握りの成長企業を引き当てないと力が出ないからです。
言い換えれば、「一握りの成長企業を掘り当てる」ことが、投資会社の腕の見せどころです。しかし、どんなに経験を積んだファンドマネジャーでも百発百中とは行きません。
スタートアップ企業のうち、5年で100倍の時価総額に成長するなど大成功する企業は5%以下と言われています。20社に投資して1社当たるかどうか、というのがベンチャーキャピタルのリスクです。最悪の場合、20社中20社が全部破綻し、利益がまったく出ないことも考えられます。
もちろんベンチャーキャピタルの会社もこれは百も承知なので、基本的には投資先を分散して弾数を増やしています。10社にしか投資しなかったら全部失敗するかもしれませんが、100社に投資をすればどれかが上手くいく可能性は十分に考えられます。
また、ベンチャーキャピタルの中にはスタートアップ企業のコンサルティングなども請け負っていることがあります。投資をした後、事業が上手くいくようにサポートすることで、投資を成功させる確率を高めているのです。
以上のような努力はもちろんしていますが、それでも百発百中とは行きません。逆に言えば、多くの企業が急成長できない中、ときどき現れる打ち上げ花火のように見事に成長する企業が大きな収益をもたらしてくれるので、15%〜20%の利回りが期待できる投資方法になっています。ハイリスク・ハイリターンな投資方法なので、理解してから投資を始めましょう。
スタートアップ企業に投資する方法
ベンチャーキャピタルを含め、スタートアップ企業に投資する方法を紹介していきます。ベンチャーキャピタルにもメリットとデメリットがあるので、デメリットがあるけどスタートアップ企業に投資をしたいという方は、他の方法に挑戦しましょう。
投資会社に資金を預ける
1つめは、これまで紹介してきたようにベンチャーキャピタルの投資会社に資金を預ける方法です。スタートアップ企業に投資する場合、昔から使われてきた一般的な方法です。
ベンチャーキャピタルへの投資のメリットは、投資先の企業選びを任せられることです。投資会社に在籍しているファンドマネジャーたちは投資の専門家なので、一般人よりは高い確率で成長企業を見つけられるでしょう。投資家は労力をかけずに済むだけでなく、専門家に任せることができるので投資の成功確率も高められます。
一方でベンチャーキャピタルのデメリットは、最低投資額が高めに設定されていることです。日本国内の会社だと、1000万円から投資を受け付けているケースが多いです。
いきなり1000万円を投資するのは、多くの人にとってはハードルが高すぎるでしょう。そこで、ベンチャーキャピタル以外でスタートアップ企業に投資する方法を解説していきます。
クラウドファンディングに投資する
クラウドファンディングを通じて、企業を支援することができます。ただし、クラウドファンディングの種類によってはお金でリターンをもらえないこともあるので、注意が必要です。
寄付型や購入型のクラウドファンディングの場合、リターンはサービス券や商品などの物か、またはリターン自体がありません。投資というより寄付や支援の意味が強いからです。
最近では、株式投資型クラウドファンディングというサービスが出てきており、これならスタートアップ企業への投資ができます。
株式投資型クラウドファンディングとは、未上場企業の株式をネットを通じて投資家が購入できるサービスのことです。未上場なので証券取引所では売買できず、個人の投資家がアクセスするのは難しかったのですが、クラウドファンディングの登場によって可能になりました。
株式投資型クラウドファンディングのメリットは、小口で購入できることです。サイトや銘柄によりますが、1万円でも購入することができます。一般的なベンチャーキャピタルの最低投資額が1000万円であることを踏まえると、かなりハードルが下がったのではないでしょうか?
ただし、自分で投資先を選ばなければならないので、投資の知識が必要になります。数ある企業の中から成長しそうな企業を自分で選び抜かなければならないので、ベンチャーキャピタルよりは成功率や利回りが下がるリスクがあります。
スタートアップ企業を自力で見つける
スタートアップ企業を自力で見つけるのも、投資方法として考えられます。
しかし、これはクラウドファンディングに挑戦するよりも大変です。未上場で投資したい企業が見つかったとしても、「株を売ってください」と交渉しなければならないからです。資金調達したがっている企業ならまだしも、そうでない企業だと門前払いかもしれません。
スタートアップ企業への投資は、ベンチャーキャピタルとクラウドファンディングが王道と言えるでしょう。
超ハイリスク・ハイリターンと理解して投資しよう
ベンチャーキャピタルとそのメリット・デメリットについて解説してきました。
超ハイリスク・ハイリターンな投資方法なので、リスクを理解できる人のみ投資をしましょう。
購入方法については、最低投資額が高く資金面でのハードルが高いので、クラウドファンディングも検討してください。
投資はギャンブルではありません。「億り人」や「大儲け」という言葉に踊らされてイチかバチかの賭けに出るのではなく、お金を増やすための知識をつけておこないましょう。