投資マガジンの特集で「株価が10倍に上がるグロース株」などグロース株の特集が組まれることがよくあります。短期間で資産を大きく増やせる銘柄なので、グロース株には人気があります。
しかし、リターンの大きい銘柄には大きなリスクがつきもの。いくら「儲けられそうだ」と思っても、すぐに手を出すのは怖いですよね。
この記事では、グロース株の意味やメリットとデメリット、探し方を解説していきます。株式投資で資産を増やしたいならグロース株への投資が近道なので、基礎知識を押さえて投資に役立てていきましょう。
この記事の目次
グロース株とは
グロース株とは、これから株価が上がっていくと予想できる株式のことです。今後の売り上げなど業績が上がることが期待できる成長企業の株式が当てはまります。
勢いのあるスタートアップ企業は、創業当初こそ規模は小さいものの、あっという間に日本を代表する大企業になってしまうこともしばしば。数年で株価が10倍以上に膨らむこともあるのです。このような銘柄に投資できれば、資産を10倍にすることも可能です。
これまでのグロース株の実例としては、ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングが有名です。2002年には3000円前後だった株価が順調に上昇し、2013年には3万円を超えました。
株価が10倍になるまで10年以上かかっていますが、紛れもないグロース株です。
グロース株は「成長株」とも呼ばれています。また、グロース株に投資することを「グロース株投資」と言い、投資ジャンルになるほど人気があります。
グロース株に投資するメリット
グロース株に投資するメリットは、主に以下の2つです。詳しく見ていきましょう。
1. 短期間で資産を増やしやすい
2. 銘柄選びがしやすい
短期間で資産を増やしやすい
グロース株は短期間で株価が急上昇する銘柄なので、投資をすれば資産を素早く増やせるメリットがあります。特に、決算の内容が良いと発表直後に株価が急上昇することが多いです。このタイミングで投資ができると、1日で5パーセント程度の値上がりを掴むことも夢ではありません。
好決算狙いは難しいとしても、長期で安定して株価が上がる銘柄で運用できれば、1年で資産を2倍にすることは可能です。資金が少ない初心者の方も一気に資産を増やせるので、グロース株は投資できるお金が少ない人におすすめです。
銘柄選びがしやすい
百発百中ではないものの、グロース株はバリュー株に比べて探しやすいメリットがあります。グロース株が生まれるのは、時代の一歩先を行くビジネスだからです。将来のトレンドを予想することで、銘柄を絞り込むことができます。
例えば、ファッション通販サイトZOZOTOWNを運営するZOZO(旧スタートトゥデイ)がグロース株になったのは、企業のビジネス内容だけでなく、環境の要因もあったからです。インターネット通販の需要が大きく拡大した外部要因と、ZOZOのサービスという内部要因がマッチして、グロース株になりました。
つまり、外部要因に上手く乗ってビジネスを勧められる企業がグロース株になりやすいと言えます。外部要因を予測することで、グロース株になり得る銘柄を絞り込めるので、初心者でも探しやすいのです。
グロース株に投資するデメリット
グロース株は利益が大きいメリットがありますが、デメリットもあります。投資はリターンが高いほどリスクも高く、ハイリスク・ハイリターンの関係があるので、デメリットも理解して納得した上で投資をしましょう。以下の2つのデメリットを解説していきます。
1. 値動きが大きく損もしやすい
2. 配当が少ない銘柄が多い
値動きが大きく損もしやすい
グロース株は値上がりしやすい反面、値下がりするリスクも大きい銘柄です。グロース株は人気があって既に多くの投資家が目を付けているため、企業価値が過大評価され、株価が割高になっているためです。
割高な銘柄は、決算の内容が少しでも期待外れだった場合など、大きく値下がりする傾向があります。ちょっとした材料でも大きく値動きする特性があるので、損をするリスクも大きいのです。
配当が少ない銘柄が多い
グロース株は配当が少なかったり、そもそも配当が無かったりする銘柄が多いです。配当とは企業が利益の一部を投資家に還元するお金のことですが、成長企業は利益を自分の事業に再投資することで成長しているので、配当が少ないまたは無いことが多いのです。
その分、株価を上げることで投資家に収益を還元する、というのが成長企業の考え方です。株価の値上がりによる利益が欲しい投資家にとっては嬉しいことですが、配当狙いの投資家にとっては面白くないでしょう。
配当による不労所得を狙う投資をしたいなら、グロース株ではなく高配当銘柄に投資をしましょう。グロース株に投資する方も、配当が少ない傾向があることは理解した上で投資をしましょう。
グロース株の探し方
メリットとデメリットを押さえたら、いよいよ実践編としてグロース株を探していきましょう。
グロース株を探すポイントは以下の4つです。ROE、時価総額、自己資本比率は証券会社の銘柄スクリーニング機能を使って絞り込むことができます。業績もツールで絞り込めるならツールで、ツールで絞り込めないなら目視で確認していきましょう。
1. ROE
2. 時価総額
3. 自己資本比率
4. 業績が伸びている
ROE
ROE(自己資本利益率)とは、持っている資産に対してどれくらいの利益が出ているかを示す指標です。ROEが高いほど、少ない資本で多くの利益を上げているので、効率よく稼げていることが分かります。
成長企業はROEが高い傾向にあるので、グロース株を探すならROEが10%以上の銘柄を狙うと良いでしょう。業界によって標準的なROEは異なるのですが、平均的には5%~7%程度になることが多いので、10%以上の銘柄なら効率の良いビジネスをしている優良企業と言うことができます。
時価総額
時価総額は、企業価値や企業の規模を表す指標の一つです。株価に発行済株式数をかけて算出する指標なので、株価や発行済株式数が大きいと、時価総額が高くなります。中小企業より大企業の方が時価総額が大きい傾向があります。
これから成長する企業はまだ大企業にはなっていないので、時価総額は小さめです。そのため、グロース株を探すなら時価総額は500億円前後で探すと良いでしょう。300億円~700億円程度の範囲に入れば、成長余地のある企業と言うことができます。
自己資本比率
自己資本比率は、会社が持つ総資産のうち自己資本が占める割合のことです。自己資本は返済する必要が無い資金で、返済が必要な資金(借入など)は他人資本になります。他人資本が多い企業は倒産リスクが高いので、自己資本比率の高さを見て長期で投資できるか判断しましょう。
グロース株を探すなら、自己資本比率は50%以上を目安にすると良いでしょう。スタートアップ企業の場合、借入が多く自己資本比率が低い企業が多いのですが、事業が上手く行かなければ返済できずに倒産になってしまうかもしれません。このような企業をはじくため、自己資本比率は50%以上を目安に、高い企業を探した方が良いでしょう。
業績が伸びている
ROE、時価総額、自己資本比率で問題が無い企業をピックアップしたら、過去の業績も確認しましょう。直近3年~5年の営業利益や売上高が連続して増加している企業なら、グロース株になり得ると考えられます。
各種条件を満たしていても、業績が低迷している企業もあります。このような銘柄がグロース株になる可能性は低いので、業績を確認して弾きましょう。
グロース株の魅力とデメリットを理解して投資しよう
グロース株のメリット・デメリット、探し方について解説してきました。
短期間で大きく株価が伸びるので、資産を増やせるのがグロース株の魅力です。ただし、配当が少ないといったデメリットもあります。
グロース株への投資がご自身の投資スタンスに合っているかどうか考えるのに、この記事を役立てていただけたら幸いです。
株式投資についてもっと知りたいという方は、ぜひ株式投資セミナーに参加してみてください。プロのトレーダーが講師を務めることも多いため、第一線で活躍しているプロトレーダーやアナリストの見解や成功方法を聞くことで、投資の勉強を加速することができます。
投資はリスクがあります。必ず知識をつけてから取り組みましょう。