
経済誌などで発言が注目される、世界的なトレーダーがいます。
世界三大投資家であるバフェット、ロジャーズ、ソロスの3人の発言は、特に注目されています。
この記事では、この3名がどのような人物なのか解説し、一般の投資家は何を学べるかを説明していきます。投資で成功するチャンスを増やせると思いますので、ぜひご参考ください。
この記事の目次
世界三大投資家とは誰のこと?
世界三大投資家とは、ウォーレン・バフェット氏、ジム・ロジャーズ氏、ジョージ・ソロス氏です。この3名は投資で資産を増やした超有名トレーダーなので、経済や金融の雑誌記事などでよく目にします。「今年の相場はどうなると思いますか?」といった質問に独自の見解を示しているので、彼らの予測を基に投資をする投資家もいるほどです。
それでは、バフェット、ロジャーズ、ソロスがどんな人物であり、何を成し遂げた人であるのか、詳しく見ていきましょう。
ウォーレン・バフェット
ウォーレン・バフェットは、「投資の神様」とまで呼ばれている超有名な投資家です。1930年にアメリカ合衆国ネブラスカ州で生まれました。2020年にフォーブスが発表した世界長者番付(世界のお金持ちランキング))では4位に入っており、保有資産は675億ドル(約7兆4000億円)です。世界で4番目にたくさんの資産を持っている人ということで、世界三大投資家の中でも保有資産が飛び抜けています。
派手な生活を送っているのかと思いきや、意外とそんなことはなく、地元のネブラスカ州オマハで暮らしています。質素な生活ぶりもあり、「オマハの賢人」と呼ばれることもあります。
バフェットの偉業で最も有名なのが、バークシャー・ハサウェイの買収です。バークシャー・ハサウェイは1888年に創業した歴史ある紡績業の会社だったのですが、1960年代には競合が多く経営に苦しむことになりました。株価が割安になったところでバフェットが目を付けて買収し、投資事業を拡大していったのです。
現在ではすでに紡績業の部門は閉じられていますが、保険のビジネスをメインとする世界に影響力のある機関投資家に成長しました。
ジム・ロジャーズ
ジム・ロジャーズは1942年生まれでアメリカ合衆国アラバマ州出身の投資家です。「商品投資の天才」「金融界のインディアナ・ジョーンズ」「冒険投資家」と呼ばれることもあります。
ロジャーズは、1973年にジョージ・ソロスと共にクォンタム・ファンドという投資会社を設立しました。クォンタム・ファンドは今なお語り継がれる超優秀な成績を収めたファンドで、10年間で3365パーセントのリターンを得ました。この間のダウ平均株価の上昇は20パーセント程度なので、市場平均を遙かに上回る驚異的なパフォーマンスとなっています。
ロジャーズの投資手法が画期的だったのは、市場が下落しているときにも利益を上げたからです。当時の一般的な投資では、「市場が上昇しているときはプラスの収益だが、下落しているときはマイナスになる」というものです。一方、クォンタム・ファンドの投資の仕組みは「市場が上昇しているときもプラス、下落しているときもプラス」になるものでした。
現代では、多くのヘッジファンドが同じ方法で運用しています。
ジョージ・ソロス
ジョージ・ソロスは1930年にハンガリーブダペストで生まれた、ハンガリー系ユダヤ人の投資家です。ロジャースと共にクォンタム・ファンドを立ち上げたことは既に解説したとおりで、莫大な収益を上げました。
2013年には日本経済のアベノミクス政策に乗っての円相場で10億ドルほどの利益を出しました。クォンタム・ファンドの同年の利益は55億ドルとなり、ヘッジファンド史上最高額の利益と言われています。ソロスは高齢となった今もチャンスに敏感で、金融市場での動向が噂される人物です。
「イングランド銀行をつぶした男」としても知られており、1992年にはイギリス政府の市場介入を逆手に取ってポンドを空売りし、約15億ドルもの利益を獲得しました。
大胆な投資手法が目立つ投資家ですが、実は慎重派で、少し試して行けそうだと確信してから大きく出ているそうです。
世界三大投資家に学ぶ投資の基礎知識
世界三大投資家の資産は、数億ドルから数百億ドル(数百億円から数兆円)の規模なので、日本人の一般の投資家が同じ手法で運用することはできないでしょう。ですが、投資哲学は一般人にも理解できることばかりです。世界トップクラスのお金持ちでも、意外と普通の哲学に基づいて運用していることが分かります。
ここからはバフェット、ロジャーズ、ソロスらの哲学や行動について解説していきます。個人の投資家が成功するために必要な基礎知識でもあるので、ぜひ参考にしていただければと思います。
割安な銘柄を購入する
バフェットを始めとする世界三大投資家は、価格が割安な銘柄を購入して「安く買って高く売る」手法で大きく儲けてきました。本当の価値に比べて過小評価されており、株価が割安な銘柄を購入するべき、ということです。
割安か割高かを判断するのは難しいのですが、10年に1回くらいのペースで訪れる金融危機で株式市場が暴落しているときに、株式を買い集める手法が挙げられます。実際にバフェットは、リーマンショックの直後で世界中の投資家が弱気になっているときに米国株式を買い向かい、資産を増やしました。
暴落している銘柄を買うのはリスクが高いので、誰にでも勧められる方法ではありません。ですが、市場に果敢に挑んだ者だけに成功のチャンスがあるのは、納得できるのではないでしょうか。
無理に投資をしなくても良い
逆に、割安な銘柄が無い時には投資を休んで良いのです。バフェットなどの世界的投資家はチャンスがあるときに思いっきり投資をして、そうでないときは投資を休んでいます。
2020年のコロナショックの直前は世界の株式市場が右肩上がりの状態で、多くの投資先が割高な状態でした。バフェットは「今は買える株式が無い」と発言していましたが、実際にコロナショックが起きて市場が暴落したことからも分かるとおり、割高なときに無理をして投資をしなくても良いのです。
凄腕の投資家も失敗する
実は、ロジャーズが去った後のクォンタム・ファンドで、ソロスは何度か大きな損失を出した経験があります。1981年に資産を半減させたことがありますし、2000年にはインターネット・バブルの崩壊で資産を6割ほど減らしたこともあります。
未来は誰にも分からないので、失敗することもあります。大きな失敗を経験しながらも資産を増やせたのは、ソロスが「間違いを認める」ことを大事にしているからでしょう。
また、ロジャーズも「初めの頃の損から多くを学んだ」と言っており、最初から上手くはいかなかったと話しています。失敗自体が悪いのではなく、失敗をしても最小限にとどめることや、失敗から学んで成功に活かすことの方が重要なのです。
まとめ
世界三大投資家であるバフェット、ロジャーズ、ソロスについてまとめました。彼らのように何百億円も儲けるのは難しいですが、投資家として見習えることは多いでしょう。自分でもできそうな考え方を取り入れ、投資で成功する確率を高めましょう。