自分の預貯金があまり貯まっていないとき、他の人はどれくらいお金を貯めているのか?気になるものです。日本人はお金の話はタブーな雰囲気があり、友人同士で預貯金の額を聞き合うということありません。
実は10人に1人以上は預貯金がないというデータが出ています。預貯金がない人や、思うように貯められていない人は大勢いることが分かります。
しかし、「他の人も貯まっていないなら、自分もお金を貯めなくて良いや」とはなりません。
この記事では、預貯金を貯められない原因や預貯金を作るための習慣について解説していきます。
この記事の目次
預貯金がない人の割合
参考:大和ネクスト銀行「貯蓄と投資に関する調査」
2020年に大和ネクスト銀行が公開した「貯蓄と投資に関する調査」によると、外貨預金やタンス預金を含む預貯金がない人の割合は、全世代で13.7%に上ることが分かりました。10人に1人以上は、預貯金が0円という状態なのです。
最も人数が集中したのが1円から100万円未満で、26.0%です。4人に1人は預貯金が1円から100万円ということですが、100万円未満の貯金では十分にお金が貯まっているとは言えないでしょう。
このように、預貯金が0円の人や少ししかできていない人は、意外と大勢います。しかし、「みんなも貯金できていないから、自分も貯金できなくて大丈夫」とはなりません。
預貯金が少ないと起きる問題
預貯金が少ないと、生活費を切り詰めたり、趣味に使うお金を減らしたりと、さまざまな面で節約を考えるので自由に生活できず苦しさを感じることが多いと言えます。しかし最も大きな問題になるのが、老後の生活費です。
預貯金は、現役で働けているうちはゼロでも良いと感じられるかもしれません。しかし、体を壊したり年を取ったりするので、いつかは働けなくなるときが来ます。そのとき、自分が生活するためのお金になる預貯金が無かったら、食事や住宅にお金をかけられず、困窮してしまう可能性が高いです。
「老後の暮らしなら年金がもらえるから大丈夫」と思っている方も、本当に充分な年金がもらえるのか要注意です。「老後2000万円問題」で話題になったように、年金は最低限度の生活ができる金額に設定されているので、使えるお金が年金しか無いとゆとりある暮らしはできないからです。働けなくなった後も趣味を楽しんだり、病気の治療費を支払ったりするためにも、元気で働けるうちに預貯金を作っておく必要があるのです。
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預貯金がない人の理由
預貯金が必要なことはご理解いただけたと思いますが、これから預貯金を貯めていくためには、まずどうして今までお金を貯めることができなかったのかを探る必要があります。何が原因で預貯金がないのかが分かれば、原因を解決してお金を貯められる人になれるからです。
そこで、預貯金がない人が挙げる「お金が貯まらない理由」で多いものをピックアップしていきます。ご自身に当てはまるものが無いか、確認していただければと思います。
給料が少なく預貯金ができない
お金が貯まらない理由で最も多く挙げられるのが、「給料が少なくて預貯金ができない」という理由です。確かに、給料が少ないと生活費でほとんど全部使うことになってしまい、預貯金のためのお金は残らない人が多いでしょう。
しかし、そのままの生活を続けていては、いつまで経ってもお金を貯めることができません。そうこうしているうちに老後を迎え、預貯金がない状態での年金生活がスタートしてしまいます。
確かに給料が少ない人にも自助努力を求めるのは酷ですが、現状、誰も助けてくれないのです。
スマホ代や家賃などの固定費の節約や、条件の良い仕事場への転職を考え、お金を貯める工夫をしていきましょう。
欲しいものを買うのをやめられない
給料は平均並みか高給なくらいの人でも、預貯金がない人は大勢います。このような方は、「欲しいものを買うのをやめられない」という原因で預貯金がないケースが多いです。
高給で知られる医師やパイロットのような職業でも、仕事のストレスの反動なのか、高級車や高級ブランドの商品を買いあさってしまい、お金が貯まっていない人は案外に多いのです。高給だからこそ、働けなくなって無収入になったときの生活がイメージできず、お金を湯水のように使ってしまうのでしょう。
給料はもらえているのに浪費をして預貯金が貯まっていない人は、預貯金がないまま老後の生活に突入したときをイメージしてみましょう。
悲惨なイメージを抱いた方は、お金を貯めようという意識になると思います。預貯金は必要だな、と感じることで、浪費をやめていきましょう。
いつの間にかお金が無くなっている
意外と多いのが、原因不明なケースです。預貯金がない人に聞いてみても、なぜか分からないと答える人は大勢います。
大抵は、コンビニでお菓子を買うなどの小さな衝動買いが積み重なり、次の給料日までにお金をすべて使い切っているケースが多いです。しかし、本人には衝動買いが積み重なっている自覚が無いのです。
このような方は、まずは簡単にで良いので家計簿をつける習慣をつけましょう。自分でも気づいていなかった無駄な出費に気づくきっかけになるはずです。
その他、ギャンブルが辞められないから、借金返済やリボ払いが大変だから、などの理由が貯金できない理由として挙げられます。
一部、医療費が高くて貯金ができない、といった自力では解決できない理由も考えられますが、預貯金がない人のほとんどは上記のような理由が当てはまります。自力でどうにかできる人の方が多いので、預貯金を作るためにも習慣を変える努力が必要です。
預貯金を作るための習慣
預貯金がない人の原因を見てきましたが、当てはまるものはあったでしょうか。なぜ預貯金がないのかを把握したら、次は預貯金を作るための習慣を身につけていきましょう。
預貯金を作るために最も重要なのが、「給料が振り込まれたらすぐに貯金をする」ということです。もう一つ、お金が貯まる喜びを知ることで預貯金へのモチベーションが上がって楽しくお金を貯められるようになるので、この2点に絞って詳しく紹介していきます。
先に貯金をする
預貯金を作りたいなら、給料が振り込まれたら使う前に、すぐに貯金をしましょう。世の中には預貯金を作るための方法論が数多くありますが、正直に言えば、これだけ実践していればお金は貯まります。
例えば、「毎月1万円を貯金する」と決めたら、給料日に1万円を引き出し、貯金専用の口座に入金します。貯金専用の口座からは出金しないことにしていれば、毎月1万円を機械的に貯めることができるでしょう。
ただし、今まで預貯金の習慣が無かった人にとって、「貯めるけど使わない」と決めるのはストレスになってしまう可能性があります。そのため、目標を決めながら貯金をすると良いです。例えば、「毎月1万円を貯金するけど、内訳は5000円が老後のための資金、5000円が旅行のための資金」のように決めるのです。
このように内訳を決めておけば、お金が貯まったときにその範囲内で旅行に行くなどの楽しみ方ができます。預貯金すべてを老後のためだと思ってしまうと、特に老後まで時間のある若い方は早々に挫折しやすくなってしまうので、楽しいことのために使うお金だと思って貯金ができる工夫をしましょう。
お金を貯める喜びを知る
お金を貯める喜びを知ることも、預貯金を長く続ける大切なコツです。
世の中にはお金を貯めることが好きだから、厳しい節約にも苦労を感じない、というタイプの方もいます。同じように貯金を趣味にする必要はありませんが、預貯金にも楽しみがあることを知れば、今までお金を貯められなかった人も貯められるようになります。
貯金が趣味の方がなぜ貯金を楽しんでいるのかというと、「預貯金の残高が増えるのが楽しい」「目標の金額に到達すると嬉しい」「お金が貯まること時代に安心感がある」といった理由が挙げられます。
今まで貯金をしてこなかった人も、始めてみたらこのような喜びを味わえるのではないでしょうか。貯金はつらいものではなく、楽しいものだと思って取り組んでいきましょう。
今回の給料日から早速実践していこう
預貯金がない人の割合や、預貯金を作るための方法について解説してきました。10人に1人以上に預貯金がないというのは、なかなか衝撃的なデータではないでしょうか。
ですが、給料日に貯金をしてしまうなど預貯金を作る習慣を身につければ、誰でもお金を貯められるようになります。預貯金がなくて悩んでいる人も、気持ちを楽にして預貯金に取り組んでいきましょう。
お金について知識を深めることも、お金を増やす方法を知る機会になります。マネーセミナーや投資セミナーにも参加して、お金自体に働いてもらう方法も身につけましょう。