ディフェンシブ銘柄は株初心者にぴったり&配当狙いの方にもおすすめ

株式の種類の一つである「ディフェンシブ銘柄」をご存知でしょうか?

ディフェンシブ銘柄は、値下がりしにくいですし配当も高い傾向にある株式です。初心者でも失敗しにくいので、初心者から上級者まで幅広い投資家に人気があります。

この記事では、ディフェンシブ銘柄の意味や投資するメリットとデメリットを解説していきます。これから投資を始める初心者の方にもぴったりの銘柄なので、この記事でディフェンシブ銘柄についての理解を深めていきましょう。

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ディフェンシブ銘柄とは?

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ディフェンシブ銘柄とは、景気の動向に株価が左右されにくい株式のことです。具体的には、生活に必要なものを作るメーカー等の株式が挙げられます。

例えば、以下のような業種がディフェンシブ銘柄として挙げられます。

  • 食料や飲料のメーカー
  • トイレットペーパーなどの生活消費財メーカー
  • 薬を作る製薬会社
  • 医療品メーカー
  • 電気・ガス・水道のインフラ
  • 携帯電話などの通信事業
  • 鉄道などの運輸事業

これらの業種は、業績が景気の良し悪しにあまり影響されない傾向があります。例えば、景気が悪くなったら贅沢品の購入は控える人が多いと思いますが、「トイレットペーパーも買うのはやめよう」とはならないですよね。

同じような理由で、上記の業種は景気が悪くなっても業績が急速には落ち込みにくいです。金融危機でも株価が平均より落ち込みにくいので、「守りの投資」といった意味で「ディフェンシブ 銘柄」と呼ばれています

ディフェンシブ銘柄の反対は景気敏感株

ディフェンシブ銘柄の反対語は「景気敏感株」です。その名の通り、景気が良いときは株価が大きく上がりますが、景気が悪くなると株価も落ち込む傾向がある銘柄です。「シクリカル銘柄」と呼ばれることもあります。

具体的には、繊維メーカー、素材メーカーなどが挙げられます。景気が良いときはモノがよく売れるので、設備投資を行って生産を拡大し、利益を拡大させます。しかし、景気が悪くなるとモノが売れなくなり、生産を縮小するとともに拡大した設備を休ませなければなりません。そのため、業績が悪化してしまいます。

また、銀行などの金融機関も景気敏感株とされています。景気が良いときは融資や投資で利益を上げることができますが、景気が悪いときは金利も下がって金融機関は儲けにくい構図になります。したがって、景気の影響を大きく受けるので景気敏感株とされます。

以上のように、株式には景気の影響を受けやすいタイプと受けにくいタイプの2種類があります。影響を受けにくいのがディフェンシブ銘柄、受けやすいのが景気敏感株です。

ディフェンシブ銘柄に投資するメリット

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ディフェンシブ銘柄を選んで投資するメリットを解説していきましょう。以下のようなメリットがあるので、ディフェンシブ銘柄中心で数千万円以上を投資している上級者もいます。

値下がりのリスクが小さい

ディフェンシブ銘柄の最大のメリットは、値下がりのリスクが小さいことです。上述の通り、ディフェンシブ銘柄は景気が悪いときでも平均よりは値下がりしにくい傾向があります。よって、いつ起こるか分からない金融危機に備えて、ディフェンシブ銘柄中心に運用する投資家が大勢います。

値下がりが全くないとは言えませんが、景気敏感株に比べると安定した値動きをしています。

景気に翻弄されたり、日々の値動きが大きかったりするのがストレスになってしまう方は、ディフェンシブ銘柄を中心にすると良いでしょう。

高配当の銘柄が多い

ディフェンシブ銘柄は、意外に高配当の銘柄が多いです。生活必需品など安定した商品やサービスを提供しているため、成長余地は少ないのですが、安定した利益が長期にわたって期待でき、企業側も利益の分配に積極的です

高配当のディフェンシブ銘柄と言えば、通信と製薬会社です。

大手の携帯キャリアだと、2020年10月現在、以下のような配当利回りとなっています。

・NTT:4.23%
・KDDI:4.16%
・ソフトバンクグループ:0.63%

なお、NTTドコモは11月にNTTの完全子会社化され、上場廃止になる予定なので、NTTの配当利回りを計算しました。

NTTとKDDIは、4%を上回る高配当であることがわかります。株主優待を導入している企業の配当利回りは0%〜5%なので、両者の配当利回りはかなり高いといえます。なお、ソフトバンクは多角化した経営のため、通信事業に特化していません。

製薬会社も見てみましょう。

・武田薬品工業:5.14%
・キョーリン製薬ホールディングス:3.72%
・科研製薬:3.41%

武田薬品工業は、他の業種の銘柄と比べてもかなり高い配当利回りです。その他の製薬会社も、配当利回りは高めです。

以上のように、ディフェンシブ銘柄は配当利回りが高い銘柄が多いです。すべての銘柄に当てはまるわけではないので、投資する前に確認をしてほしいのですが、配当狙いの投資家とディフェンシブ銘柄はかなり相性が良いと言えます。

株主優待が充実している

ディフェンシブ銘柄は、株主優待が充実している傾向にあります。食料品など生活に必要なものを作っているメーカーは、自社製品を優待に設定できる強みがあるからです。

例えば、キリンビールやアサヒビールは、自社の飲料を優待にしています。亀田製菓などお菓子メーカーも同様です。

食品や飲料なら、どんなライフスタイルの人でももらえれば嬉しいですよね。優待をもらえれば生活費を節約することができるので、優待狙いの投資家にもディフェンシブ銘柄は人気です

大企業が多い

ディフェンシブ銘柄は、インフラや生活必需品など昔から生活に密着した業種が多いので、有名な大企業が多い特徴があります。

大企業は財務基盤やコンプライアンスがしっかりしているため、経営破綻しにくいメリットがあります。したがって、株価の暴落や上場廃止といったリスクが低いといえます。

東芝で粉飾決算が発覚したように、老舗の大企業なら不祥事が起こらないとまでは言えないのですが、起きる可能性は新しい企業に比べると少ないです。大企業の不祥事がたくさん起きているように見えるのは、世間の注目度が高いからです。中小企業なら安全と言うわけではありません。

株式投資をするなら、まず経営破綻するリスクが低い企業を狙うのが一般的です。ディフェンシブ銘柄には大企業が多いので、この点もクリアしやすくおすすめです。

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ディフェンシブ銘柄に投資するデメリット

最後に、ディフェンシブ銘柄に投資するデメリットを解説していきます。投資に絶対は無く、ディフェンシブ銘柄に投資しても失敗してしまうリスクがあるため、デメリットを理解してから投資を始めましょう

キャピタルゲインは期待できない

ディフェンシブ銘柄の場合、値上がりによる利益(キャピタルゲイン)はあまり期待できません。

メリットで解説したように、値動きが安定しているのがディフェンシブ銘柄のメリットだからです。景気が悪いときに株価が落ち込みにくい反面、景気が良くても株価が急上昇するわけではないことを理解しておきましょう

大きく下落することもある

ディフェンシブ銘柄と言えど、状況によっては株価が大きく下落することがあります。

例えば、2011年の東日本大震災の後は、原発事故のため東京電力の株式が大きく売られました。また、2020年の新型コロナウィルス感染拡大時には、日本航空や全日空など航空関連の株式が売られて値下がりしました。海外渡航制限や出張・旅行の自粛により大打撃を受けたためです。

このように、ディフェンシブ銘柄なら絶対安全とまでは言い切れません。景気敏感株よりは値下がりしにくい傾向ですが、状況によっては値下がりする可能性もあります。投資に安全と言う言葉は無いので、リスクを理解してから始めましょう。

初心者はディフェンシブ銘柄から始めるのもお奨め

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ディフェンシブ銘柄の意味とそのメリット・デメリットを解説してきました。

景気が悪いときでも値下がりしにくいディフェンシブ銘柄には、高配当や株主優待といったメリットもあります

銘柄選びに自信が持てない初心者の方でも失敗しにくいので、まずはディフェンシブ銘柄から始めてみてはいかがでしょうか。

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