成行注文と指値注文をどう使い分けるのか

株式投資を始めようと思っても、株式を買ったり売ったりする方法が分からなければ始まりません。

株式の売買は証券取引所に注文を出して行いますが、その際の注文方法には「成行注文」と「指値注文」の2種類があります。成行・指値といった耳慣れない言葉を見た段階で、「株って難しそうだから、やっぱりやめよう…」と思ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

しかし成行注文も指値注文も実は簡単なもので、初心者でもすぐに理解することができます。2種類の注文を使いこなせるようになれば、株式投資での利益も出しやすくなります。

この記事では、成行注文と指値注文の意味を解説します。これで投資初心者の方でも成行注文と指値注文をどのように使い分けたら良いかを理解することができます

スポンサーリンク

株式を注文する2つの方法

注文の方法
・成行注文(なりゆきちゅうもん) ⇒ できるだけ早く売買を成立させるための注文
・指値注文(さしねちゅうもん) ⇒ 予約した価格かそれよりお得な価格で売買を成立させるための注文

株式の取引は、「証券取引所」で行われます。そのため、株式を買ったり売ったりするためには、証券会社を通じて証券取引所に売買の注文を出す必要があります

前途の通り、注文の方法には、「成行注文(なりゆきちゅうもん)」と「指値注文(さしねちゅうもん)」の2種類があります。

ざっくり言うと、成行注文は「できるだけ早く売買を成立させるための注文」で、指値注文は「予約した価格かそれよりお得な価格で売買を成立させるための注文」です。それでは、これらの注文方法について詳しく解説していきましょう。

成行注文とは

成行注文は、価格を指定しない注文方法です。その代わり、素早く売買を成立させることができます。

例えば、取引が行われている時間帯に「成行で100株の買い注文」を出したとしましょう。すると、そのときに出ている売り注文とマッチングされ、売買が成立します

成行買いの場合、既に出ている売り注文の中から最も安い価格の売り注文とマッチングされます。反対に、成行で売り注文を出した場合、最も高い価格の買い注文とマッチングされます。

指値注文とは

指値注文とは、売買の価格を指定する注文方法です。

例えば、取引が行われている時間帯に「1000円の指値で100株の買い注文」を出したとしましょう。すると、そのときに1000円以下の価格で売り注文が出ていれば、その中で最も安くて有利な注文とマッチングされ、売買が成立します。

ただし、1000円以下の価格での売り注文が出ていない場合、売買は成立しません。その価格での売買が出ないまま、何日も過ぎてしまうことがあります。

成行注文・指値注文の使い分け方

チャート
解説してきたとおり、成行注文はすぐに取引を成立させる注文で、指値注文は価格を指定した予約注文だと思っていただければOKです。

次に気になるのが、どのようなシーンで成行注文または指値注文を使うかです。以下のようにシーン別に注文方法の使い分け方をご紹介するので、該当する場合に応じて使い分けていきましょう。

[box05 title="成行注文が向いているシーン"] ・トレンドが出ているとき
・損切りしたいとき
・すぐに現金化したいとき
・権利付き最終日に滑り込みたいとき
[/box05] [box05 title="指値注文が向いているシーン"] ・売買したい価格が明確なとき
・利益確定の予約を行うとき
[/box05]

トレンドが出ているときは成行注文

上昇または下降のトレンドが出ているときは、成行注文を使うのがおすすめです。

上昇トレンドが出ているとき、価格は上下にフラフラ動きながらも、基本的には上昇していきます。時間とともに価格が上昇していってしまうので、成行で買い注文を出してなるべく早い段階で株式を購入するのが良いでしょう。

下降トレンドのときも同様です。時間とともに価格が下降するので、成行で売り注文を出すのがおすすめです。

トレンドが出ているときは、指値注文はあまり向いていません。「できるだけ安く買いたい」という思いから、現在の価格よりも安いところに指値注文を入れてしまう方がいるのですが、トレンドが出ている以上、その価格まで戻ってこない可能性が高いです。指値まで下がってくるのを待つうちに、価格がどんどん上がってしまい、今さら買えない価格になってしまう、といったこともあります。

したがって、トレンドが出ているときは成行注文を活用しましょう。

損切りは成行注文

素早さが重要な損切りでは、成行注文を使うと良いでしょう。

損切りとは、予想と違う方向に株価が動いてしまい、含み損を抱えている状態で決済することです。早い段階で予想が外れたことを認め、諦めて決済することで、損失を最小限に抑えることができます。

もし指値注文を利用してしまうと、いつまでも決済されず、損切りができなくなってしまう可能性があります。待っている間に損失が膨らんでしまうリスクがあるので、損切りは成行注文で行いましょう

すぐに現金化したいときは成行注文

突然、お金が必要になってしまい、株式を現金に換えたくなることがあります。そのような場合も、成行注文の方が良いです。成行注文なら素早く取引が成立するので、ほぼ確実に株式を売って現金化することができます

一方、指値注文を利用してしまうと、取引が成立しないまま証券取引所がクローズしてしまう可能性があります。現金が必要なのに現金化できなかったら、本末転倒です。確実に現金化したいときも、成行注文を使うのがおすすめです。

権利付き最終日に滑り込みたいときは成行注文

株主優待を目的に投資をしている方の場合、成行注文を使うべき機会があるかもしれません。

株主優待をもらうためには、企業ごとに異なる「権利付き最終日」に株主である必要があります。極端ですが、権利付き最終日に株式を買い、翌日に売却した場合でも、優待をもらうことができるのです。

そのため、権利付き最終日に株式を買いたい方は大勢いらっしゃいます。そのような方は、成行注文を使って権利付き最終日に間に合わせましょう。

ここで指値注文を使った場合、権利付き最終日中に取引が成立せず、優待の権利を獲得できないリスクがあります。優待を確実にゲットしたい方は、成行注文を使いましょう。

売買したい価格が明確なときは指値注文

売買したい価格が明確なときは、指値注文を使いましょう。配当金や株主優待の内容を踏まえると、「今の価格だとちょっと高いけれど、もう少し株価が下がったら買っても良いな」と思える株式もあるでしょう。そのような株式が見つかったら、指値注文を入れておくと良いです。

例えば株価2000円の企業に対して、「2000円は高すぎるけど、1500円だったら株式を購入したい」と考えていると仮定します。このような場合は、1500円で指値注文を入れておけばOKです。

成行注文だと2000円で購入することになってしまうので、売買したい価格が決まっている方は指値注文を使いましょう

利益確定の予約は指値注文

株式投資の基本的な利益の出し方は、株式を安く買って高く売ることです。安く仕入れた株式を高く売ることで、利益が確定します。

利益確定のための注文は、指値注文がおすすめです。どれくらいの利益が出れば良しとするのかを考え、価格を指定した指値注文を入れておくと良いでしょう。

というのも、トレーダーは常にパソコンに張り付いて取引ができるとは限らないからです。食事中やトイレに行っているときに利益確定のチャンスが到来しても良いように、指値注文を入れておきましょう

スポンサーリンク

2つの注文を使い分けて取引する

スマホで株を取引する
成行注文と指値注文の意味と使い分けについて解説してきました。成行注文は素早く売買を成立させる注文で、指値注文は価格を指定した予約注文というイメージです。

意味が分かってしまえば、特に難しい用語ではありません。記事で紹介したようにシーンによって2つの注文を使い分け、上手に株式の取引をしていきましょう。

株で成功する方法は、本やブログ、YouTube、セミナーで習うことができます。中でもセミナーは、わからないところを講師に直接質問できるため、上達が早まります。また、投資仲間ができることも大きな収穫です。耳寄りな情報を交換できたり、投資のモチベーションが上がるからです。
さまざまなテーマで開催されているので、自分に合った内容のものに積極的に参加してみてください。

関連記事
株式投資セミナーの選び方

株式投資をはじめたいけど、どんな銘柄を買ったら良いのか、いつ売買するのが良いのか?リスク管理はどうするべきか?
一人でお悩みであれば、証券会社や投資スクールが主催の投資セミナーへの参加をご検討下さい。多くの投資家が投資セミナーで疑問を解決しています。優良なセミナーを受講すると投資の本質を知ることができ、投資家として成長が期待できます。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事