漠然と「保険って難しい」と感じている人は多いですよね。
保障は多い方が魅力的なのですが、そうなると当然掛け金も大きくなるわけです。自分にはどんな保障内容が合っているかなんて仕組みが複雑過ぎてわかりづらい。
となると保険の営業さんに提案されるがまま予算と折り合いをつけて加入しているという人も多いのではないでしょうか。
筆者が保険会社に勤務していた頃、友人から多く相談を受けたものです。
契約内容を見ると、年齢に合っていない若い頃の保障内容をそのまま更新していたり、結婚や子どもが生まれて生活スタイルが変化したのに独身の頃のままの保障内容だったり。これってとても勿体ないんですよ。
そこで本記事では保険を学べる「保険セミナー」についてお教えします。
保険セミナーに顔を出してみると、知らなかった保険の役割を学ぶことができるので、保険を上手に活用したり、税金を節約したりできるノウハウを得られます。
筆者の保険会社への勤務経験を踏まえ、「保険セミナーの選び方」について解説していきます。
先に生命保険の多様な役割を解説しますので、どんなセミナーを受けたいかイメージしてみてくださいね。
この記事の目次
保険セミナーの種類
保険の基本は人々の生活を守ることですが、他にもさまざまな機能がついており、活用次第でより日常を豊かにしてくれます。サラリーマンにとっては節税効果がありますし、経営者にとっては万が一のときに会社を守る機能を果たします。
通常「保険セミナー」と言うと生命保険に関する内容を扱います。
損害保険は自動車や不動産とセットになっているため選択の幅が狭いのですが、生命保険は個人のライフプランに合わせたものを選択する必要があり、選び方が難しいです。
このような特徴のため、損害保険セミナーはあまり多く開催されませんが、生命保険には多様な機能があるので、セミナーも色々な内容で開催されています。
この記事でも以降は「保険セミナー」を「生命保険セミナー」と読み替えて解説していきます。
生命保険セミナーについては、具体的に次の3つをおさえておくと良いでしょう。
①生命保険そのものを学ぶ初心者向けセミナー
「保険に入りすぎて家計が苦しくなってしまった」という相談は、ファイナンシャルプランナーに多く寄せられる質問の代表例です。
勧められるがままに良さそうな保険に加入してしまうと、保険料が思ったよりも高額になってしまい、保険料を支払うために働くなんてことになりかねないですよね。
保険のために働くのは本末転倒です。
このような状態にならないため、または脱するためには、保険に対する正しい知識が必要ですよね。
これから保険のことを真剣に勉強したいと考えている方は、「保険とは何か、どんな目的で加入するべきか」を学べる初心者向けセミナーに出席してみてはいかがでしょうか?
自分に適正な保険を選べるようになれば、月々の出費を抑えることも期待できます。
実際に、女性向け雑誌の貯金特集には「保険の見直し」はテッパンです。
ただし、その雑誌の貯金成功者とあなたのライフスタイルが同じとは限りません(似ていたとしても!)から、やはり保険セミナーに出てしっかり学ぶことが重要です。
よくある質問でもある「掛け捨て型と貯蓄型どちらがいいの?」「パンフレットのどこを注意して見るべき?」などの基礎的な知識も、初心者向けセミナーで解説されます。
最も多く開催されるのも初心者向けセミナーなので、自分に合った日時を見つけやすいでしょう。
②生命保険で節税する上級者向けセミナー
生命保険は所得控除の対象です。少し難しい用語ですが、「生命保険の保険料を支払うことで、所得税・住民税が軽減される」と考えてください。
勤め人であれば1年に1回、加入している生命保険会社などから送付される生命保険料控除証明書を元に年末調整の書類を記入したことがあると思います。
年間の生命保険料支払額に応じて所得税や住民税が軽減されるのですが、軽減される金額にも上限があります。保険に入れば入るほど得になるわけでもないのがポイントでもあり、節税の難しさでもあります。
保険の基礎的な内容が理解できた方は、ぜひ節税方法を解説するセミナーを受講し、保険商品の選択に役立てていただきたいです。
生命保険の控除による節税は、保険単独ではなく他の節税方法と合わせて節税セミナーといった形で講義されることが多いです。投資セミナーの一環でも、解説されることが多いですね。
③生命保険で会社と従業員を守る経営者向けセミナー
経営者の場合、付き合いで保険に入っているうちに、加入しすぎて訳が分からなくなってしまった、という状態が非常に多いです。
付き合いも大事かもしれませんが、ご自身が入っている保険が本当に役に立つものなのか、また支払っている保険料に見合った商品なのか理解して、不要であれば解約したいものです。
経営者の場合、生命保険を上手く使うことで万が一のときに家族だけでなく、企業や従業員を守ることができます。もしも社長が事故や病気で急に働けなくなってしまった場合でも会社が存続できるよう「事業保障」「相続・事業承継」を目的に加入できるのです。従業員の退職金を準備する目的で加入できる保険もあります。
このような経営者特有の悩みを解決する保険が、世の中にはたくさんあります。経営者向けの保険セミナーでは、経営者の悩みに特化した専門的な内容を受講できるので、安定した経営のために知識を役立てることができるでしょう。
元保険営業マンが教える保険セミナーの選び方
保険セミナーは上記のとおり様々な内容のものがあり、頻繁に開催されています。次の3点に気を付けて保険セミナーを選ぶと、自分に合った優良セミナーに出会えるでしょう。
①内容が自分に合っているか
上記のとおり、生命保険には多様な役割があるため、受講者のニーズによってさまざまなセミナーが存在します。サラリーマンの方が経営者向けの保険セミナーを受講しても時間がもったいないので、自分に合った内容のセミナーを受講することが大切です。
保険セミナーの申し込みページでは、当日に予定されている内容が詳しく紹介されているはずです。あなたが疑問に感じていることがセミナーで扱われるか、確認してから申し込むようにしましょう。
②講師に個別相談ができるか
保険セミナーの講師は「ファイナンシャルプランナー」という肩書きの人が務めることが多いです。ファイナンシャルプランナーは顧客のライフプランに合わせて適切な保険商品を勧める技能を持つ保険の専門家なので、セミナーの内容を聞くだけでも有益となるでしょう。
しかし、ファイナンシャルプランナーが本領を発揮するのは1対1の個別相談です。セミナーでは多くの受講者に有益な内容を解説するため一般論が多くなりがちですが、1対1であれば顧客の悩みを解決するために最善の保険を提案することができます。
せっかくファイナンシャルプランナーによるセミナーを受けるのですから、受講後に個別相談を受けられるセミナーを選んでみてはいかがでしょうか。あなたのライフプランに合った保険商品を選ぶきっかけになるはずです。
③独立系FP主催か保険会社主催か
保険セミナーは運営者もさまざまです。保険会社が主催するセミナーの場合、その会社が提供している保険商品が紹介されるので、他社所品との公平な比較はしづらい可能性があります。一方、独立系のファイナンシャルプランナー(FP)が主催するセミナーであれば、具体的な商品を公平に比較した視点での解説となることが多いです。
既に入りたい保険商品がある程度決まっている人は、保険会社のセミナーに出て商品について深く学ぶのも良いでしょう。
一方、保険のことを基礎から学びたいという方は独立系ファイナンシャルプランナーのセミナーが合っていると考えられます。
さっそく保険セミナーを探してみよう
保険セミナーの種類と選び方について解説しました。
生命保険は万が一のときに保障を受けられるだけでなく、所得税や住民税を軽減する控除や経営者向けの保障など、多様な機能を持っています。
機能が多いからこそ複雑で難しく感じられる保険ですが、自分に合ったセミナーを受講すれば保険の知識を深めることができて、月々の払込金額を見直したり、適正な保障内容でより家族を守れるようになるでしょう。
正しく保険商品を選んで充実した生活を送れるよう、ぜひセミナーを受講してみてくださいね。