米国株式や海外ETFに興味がある方には、NISAでの投資をおすすめします。手数料が無料になる証券会社があり、お得に投資をすることができるからです。
この記事では、NISAと米国株式・海外ETFへの投資について解説していきます。
この記事の目次
NISAとは
NISAは、1年間で120万円以内の投資額によって生まれた利益が、非課税になる制度です。
通常、投資で得られた利益には約2割の税金がかかります。10万円の利益が出た場合、約2万円が税金として差し引かれ、約8万円の利益が手元に残ります。
しかしNISAを使って投資をすれば、利益が非課税になるので、10万円はまるまる投資家の利益になります。NISAを使って支払う必要が無い税金を節約し、投資の利益を守りましょう。
NISAは最大5年間使える制度です。これから紹介する米国株式や海外ETFに投資する時にも使うことができます。
米国株式(米株)とは
米国株式(米株)とは、アメリカの証券取引所に上場している株式のことです。
アメリカの証券取引所には、iPhoneを製造・販売するアップル、Googleの持株会社であるアルファベット、世界で通販ビジネスを行うAmazonなどが上場しています。アメリカの企業に投資をしたいと思ったら、米国株式に投資をするのが一般的です。
日本に住んでいる人も、日本の証券会社を通じて米国株式に投資をすることができます。ただし、取扱銘柄の種類は証券会社によって異なります。米国株式に投資をしたいなら、口座開設を申し込む前に、米国株式の取り扱いはあるか、投資したい銘柄を取り扱っているかを確認しましょう。
海外ETFとは
ETFは「上場投資信託」のことで、投資会社に運用を任せる商品です。ETFは投資会社がどのような方針で運用するかを決めているので、投資家はETFを買ってその運用方法に乗っかることができます。
海外ETFは、海外の証券取引所で売買されるETFです。アメリカの証券取引所で売買されるものを特別に「米国ETF」と呼ぶことがあります。また、日本の証券取引所でもETFは取り扱われており、「国内ETF」と呼ばれています。
ETFは投資会社が複数の銘柄に投資している商品なので、1つのETFを購入するだけで数多くの商品に分散投資できるメリットがあります。
ETFの種類によって設計は異なりますが、NYダウ平均株価やS&P500といったアメリカの株式市場を代表する指標に投資できる商品が海外ETFの代表例です。指数を構成する多くの銘柄に分散投資ができ、かつ市場平均並みのパフォーマンスを期待することができます。
日本に住んでいる人も、日本の証券会社を通じて海外ETFに投資することができます。ただし、全世界のETFに投資することはまだ難しく、基本的には米国ETFが中心となります。とはいえ米国ETFには米国だけでなく全世界や新興国に投資できる商品もあり、あまり不自由は感じないでしょう。
NISAで米株・ETFに投資するメリット
米国株式・海外ETFは、特定口座など一般的な口座でも取引することができます。しかし、NISAで取引するメリットがあるので、できればNISAを使った方が良いでしょう。
NISAを使う主なメリットを3つ解説していきます。
手数料がお得になる
一部の証券会社では、NISAで米国株式や海外ETFを購入する場合、売買にかかる手数料を無料に設定しています。よって、NISAで売買すると手数料の節約ができるメリットがあります。
一般的に、株式やETFを買ったり売ったりするときには手数料がかかります。その上、海外の商品の手数料は国内よりも高く設定されていることがほとんどです。
例えばインターネット証券会社の手数料の目安は、次のようになります。NISAでなく一般的な口座を使って米国株式や海外ETFに投資する場合、売買する代金の0.45%が手数料の目安となります。国内株式の取引だと0.1%程度なので、海外への投資だと手数料が約4倍以上もかかってしまうと分かります。
しかし一部の証券会社では、NISAでの売買であれば米国株式・海外ETFの手数料を無料としていることがあるのです。したがって、NISAで米国株式や海外ETFの取引をすると、手数料を大きく節約することができます。
なお、すべての証券会社の手数料が無料なのではなく、会社によって手数料の体系が異なります。口座を開設する前に証券会社のホームページを見て、NISAでの手数料について調べておきましょう。
時間分散で低リスクに運用できる
NISAは5年間使える制度なので、制度を利用することで自然と時間分散を行うことができます。1回のタイミングでまとめて投資をするのではなく、時期をずらして少しずつ投資を行うことで、低リスクに運用できるメリットがあるのです。
1回のタイミングで米国株式や海外ETFを購入した場合、そのときが最高値だったら、その後に価格が下がって損失を抱えてしまいます。最高値はいつ来るか分からないので、購入するタイミングを分散させると、最高値で商品をたくさん買ってしまう確率を下げることができます。
節税メリットがある
NISAの特徴で解説したとおり、節税できるのも大きなメリットです。米国株式や海外ETFの購入でも、国内の税金は非課税になります。
節税メリットについては既に解説したので、詳しくは割愛します。
NISAで米株・ETFに投資する際の注意点
NISAで米国株式・海外ETFに投資をする場合、気をつけていただきたいことが2つあります。基本的には使った方がお得な制度ですが、注意点を理解しておいていただければと思います。
現地では課税される
NISAを使ったからといって海外の現地で源泉徴収された税金まで非課税にすることはできません。あくまでもNISAは、国内で非課税になる仕組みです。
したがって、米国株式や海外ETFに投資する場合、その国の税金を納めることになります。とはいえアメリカは10%で日本より税率が低いので、大きな問題になることは少ないでしょう。
外国税額控除が適用されない
NISAを使った投資の場合、外国税額控除は適用されません。どういうことなのか、順を追って説明していきます。
一般的に、米国株式や米国ETFに投資した場合、利益にアメリカで課税されます。税率は10%です。
その後、NISAを使わない場合は日本でも約20%が課税されます。アメリカで10%、日本で約20%なので、合わせて約28%ほど課税されてしまいます。
そこで、外国税額控除の制度が使われます。簡単に言うと、税金の一部を還付するなどして、税率を日本の約20%に合わせる仕組みです。確定申告のときに使う制度です。
しかし、NISAでは外国税額控除は使えません。そもそも日本では課税されておらず、アメリカで10%課税されているだけだからです。
NISAならではの特典を活かして運用する
NISAを使った米国株式や海外ETFへの投資について解説してきました。国内の税金が非課税になる仕組みですが、海外の商品への投資にも活用することができます。
一部の証券会社では売買手数料が無料になるなど、NISAならではの特典もあります。米国株式や海外ETFへの投資には、NISAを使うことをおすすめします。