株式の塩漬けは、投資家の間で最も嫌われることです。特に短期の投資家にとっては、塩漬け銘柄は厄介ですよね。
そこで、この記事では
投資初心者で「塩漬け」がよくわからない
今まさに「塩漬け」に悩まされている…
という方へ、
塩漬けを回避するために守るべきたった1つのルールを紹介します。
また、良い塩漬けと悪い塩漬けの違いもお伝えするので、自分の塩漬け銘柄がどちらなのか考えていきましょう。
この記事の目次
塩漬けとは?
塩漬けとは、買った株式が含み損を抱えたまま、売るに売れない状態になり、長く保有し続けることです。含み損が大きくなりすぎて、損切りすると大損が確定してしまうため、売るに売れないのですね。
株式を塩漬けすると、その分の資金を使って新たな投資ができないので、資金効率が悪くなってしまいます。できれば塩漬けの銘柄は持たない方が良いと言えるでしょう。
塩漬けを回避する方法
既に塩漬けがある方は、その銘柄については大損を覚悟で損切りするか、塩漬けを続けるかの最悪な2択しか残っていません。つまり塩漬けになってからでは遅いので、その前に回避することがとても重要となります。
塩漬けを回避するためには、たった一つの方法しかありません。その一つである「損切りルールを徹底する」ことについて、詳しく見ていきましょう。
損切りルールを徹底する
塩漬けを回避するためには、あらかじめ損切りのルールを決めておき、それをいつでも徹底して守ることです。
どうして投資家が株式を塩漬けにしがちなのかと言うと、感情が邪魔をして損切りができなくなるからです。株価が下がっても、「もう少し待っていれば戻って来る」と自分に都合よく考えてしまうのですね。こうしているうちに含み損が膨らみ、損切りできないほど大きくなって塩漬けに至ります。
そうならないようにするためにも、損切りのルールを決めておきましょう。例えば「1つの銘柄の含み損が、投資する資金全体の2%を超えたら損切りする」といったルールを決めておきます。ルールをはみ出したら、どんな理由があろうとも損切りします。
こうすることで、感情に邪魔されないトレードをすることができます。塩漬けも回避できるので、ぜひ試してください。
良い塩漬けと悪い塩漬けがある
とはいえ、塩漬けが絶対に悪いわけではない、という考え方もあります。自分の塩漬けが、悪い塩漬けではなく良い塩漬けなら、そのままでも良いのではないでしょうか。
良い塩漬けと悪い塩漬けにはどんな違いがあるのか見ていきましょう。
良い塩漬けの特徴
良い塩漬けの特徴は、以下の3点です。
- 金融危機などによる株価の急落で、企業のビジネスに問題はない
- 長期保有のため、配当で元を取れている
- 株主優待の長期保有特典がある
良い塩漬けには、以上のような特徴があります。長期保有を前提とした投資家の場合、ある程度の銘柄が塩漬けになるのは仕方がないとも言えます。詳しく見ていきましょう。
金融危機が起きた場合
リーマンショックやコロナショックのような金融危機が起これば、どんな銘柄でも株価は下がります。しかし、企業のビジネスに問題が起きたわけではないので、時間とともに回復する傾向があります。
そのため、塩漬けしていてもいつかは株価が戻ってくると考えられます。急いで損切りしなくても良い、と言えるでしょう。
例外としては、危機に関係する業種の銘柄です。例えば、航空業界や旅行業界は彼らのビジネスには問題がないのに、新型コロナウイルスが原因で先行き不安な業種になってしまいました。企業に問題が無くても、環境要因でこれまでと同じビジネスの先行きが不透明になっている場合は、株価が回復するとは限らないので悪い塩漬けになってしまいます。
配当で元を取れている場合
長期保有の場合、株価が下がっても既にもらった配当で元を取れている場合があります。この場合は、良い塩漬けと考えられます。
例えば、株価の下落で10万円の損失が出たとしましょう。ですが、これまでに20万円の配当金をもらっていたらどうでしょうか。トータルではプラスになっているので、損失は出ていません。
そのまま株式を保有し続ければ、配当や株主優待をもらい続けることができます。株価の下落はあまり考えなくても良いのではないでしょうか。
それでも今後も株価が下落し続ける可能性があります。また、企業の業績悪化のため、配当が減らされたり優待が縮小したりする可能性もあります。よって損切りした方が良いという意見もありますが、配当でプラスになっているなら、今のところは悪い塩漬けではないと考えられるでしょう。
株主優待の長期保有特典がある
株主優待の長期保有特典がある銘柄の塩漬けも、悪い塩漬けとは言えないでしょう。
企業によっては、優待の条件に「3年以上保有」といった期間の条件を設けていることがあります。狙っている優待の価値が高く、株を買うのに投じたお金の元を取れるなら、塩漬けしてもよいと考えられます。
ただし、優待の内容は企業が決めるので、突然優待が無くなる可能性もあります。無くなったら塩漬けする意味が無くなってしまいますよね。そのため、優待を目的として塩漬けするのは、「いかなる場合も確実に良い塩漬け」とまでは言えないです。
悪い塩漬け
悪い塩漬けの特徴は、以下の3点です。これらに当てはまる銘柄を保有している方は要注意です。
- 企業の業績が悪化して含み損が出ている
- 短期投資の予定だったのに長期保有になっている
- 他に投資したい銘柄があるのに、塩漬けの銘柄に資金を拘束されている
企業の業績が悪化した
企業の業績が悪化して株価が下がった場合の塩漬けは、悪い塩漬けです。
株価は企業の価値を表すと考えられるので、業績悪化や不祥事などのネガティブな原因でも下がります。企業の価値が下がったなら、適正な水準まで株価が落ちるだけです。
それなのに損切りできず含み損を抱える投資家は、企業の価値を適正に判断できていないことになります。株価が下がってからも、株価が高かった頃と同じ評価を与えているのですね。
今後の配当や優待が魅力的でも、業績が悪化している場合は悪い塩漬けです。配当や優待は減らされるかもしれないので、保有し続けるのはリスクが高いです。
もともと短期保有の予定だった
塩漬けでよくあるのが、もともと短期保有の予定で買った銘柄で含み損が出たので、長期保有にしたケースです。これは最も良くない塩漬けと言えるでしょう。
デイトレードなど短期保有の予定ということは、「1日から数日で利益が出せる銘柄だ」と予測してエントリーしているはずです。しかし含み損が出て短期で解消しない場合、自分の予測が外れていることになります。ここでの正しい投資行動は、自分のミスを認めて素早く損切りすることです。
しかし、自分には甘いトレーダーがやってしまいがちなのが、自分のミスを認められず、損切りしない誤った投資行動です。「1日ではダメだったけど、長く保有していればそのうちプラスになるさ」ともともとの短期保有という前提を崩してしまうのです。
その上、長期保有の前提で選んだ銘柄でもないので、塩漬けは一向に解消しない場合が多いです。
投資で成功するためには、素早い損切りが重要です。損切りするタイミングは、自分の予測が外れたと分かった時点です。自分のミスを認められず塩漬けになっているのは、悪い塩漬けです。
塩漬けの銘柄に資金が拘束されている
塩漬けの銘柄に資金を拘束され、他に投資したい銘柄が見つかっても投資できない状態も、悪い塩漬けです。より魅力のある投資先に資金を取っておくためにも、適当な銘柄を買ったり、株価が下がっても保有し続けることの無いようにしましょう。
含み損が大きいとつらいかもしれませんが、他に魅力的な銘柄があるなら、塩漬けの銘柄を損切りすることをおすすめします。いつまでも利益を出せない銘柄に固執するよりも、新たな投資先で再スタートを切りましょう。
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— インベスターズ・キャンプ (@investors_camp) December 8, 2020
機械的なトレードを心がけよう
塩漬けを回避する方法と、良い塩漬け・悪い塩漬けについて解説してきました。
塩漬けを回避するには、損切りルールをあらかじめ決めておき、それを徹底することしかありません。
感情が入ったトレードをすると含み損が広がりやすく、塩漬けになりがちなので、機械的なトレードを心がけることが大変重要です。
そのためにも、投資のやり方を学ぶことは大切です。人気トレーダーの解説動画を見て情報収集をしたり、セミナーに参加して投資のノウハウを学びましょう。知識を付けずに「運」や「勘」にまかせたり、「誰かの言う通り」に投資をおこなってはいけません。