権利確定日と権利落ち日とは?低リスクで優待を手に入れる方法も紹介

株式投資の大きな魅力が、配当や株主優待をもらえることです。

しかし、投資するタイミングを間違えると配当も優待ももらえない可能性があります。

そんな事態はぜったいに避けなければなりませんね。

この記事では、混同しやすい権利確定日、権利付き最終日、権利落ち日について解説していきます。これらを押さえておけば、「凡ミスで配当も優待も逃してしまった!」ということにはなりません。

さらに、低リスクに優待だけを手に入れる「クロス取引」についても解説しました。色んな企業の優待が欲しい方は必見です。

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配当や株主優待をもらうためのスケジュール

カレンダーと電卓
配当や株主優待を確実にもらうために押さえておきたいのが、権利確定日、権利付き最終日、権利落ち日です。これらを間違えるとせっかくの配当や優待をもらえず損してしまうかもしれないので、絶対に理解しておきましょう。

権利確定日とは?

権利確定日とは、この日に株式を持っていると、配当や優待をもらえる権利が確定する、と言う日です

しかし、権利確定日に株式を買えばいいと言うわけではありません。権利確定日に株式を持った状態にするには、次に紹介する権利付き最終日に株式を買っておかなければなりません。

権利付き最終日

権利確定日に株式を保有した状態にしておくためには、権利付き最終日までに買っておく必要があります。配当や優待を狙うなら、この日までに買っておかないといけない、と言う締め切りのような日です

つまり、配当や優待を狙うなら株式をずっと持っている必要はなく、権利付き最終日に買えば問題はありません。後述するように権利付き最終日に買うのはあまりおすすめはできないのですが、遅くともこの日までに買っておけば良いという目安にはなるでしょう。

権利付き最終日は銘柄によって異なるので、欲しい銘柄が見つかったらスケジュールも調べておきましょう。具体的には、権利確定日の2営業日前の日です。

権利付き最終日に株式を保有したら、手放すタイミングも重要です。配当や優待狙いなら、権利落ち日以降に得ることができます。権利落ち日についても見ていきましょう。

権利落ち日とは?

権利落ち日とは、権利付き最終日の翌日のことです。この日は銘柄を持っていても、配当や優待をもらう権利には全く影響がありません。

すなわち、権利落ち日以降なら、銘柄を売却しても配当や優待はもらえます。配当や優待狙いの銘柄で、長期保有したいと思えないなら、権利落ち日以降に売却しても良いでしょう。

配当・株主優待狙いの投資の注意点

権利付き最終日に買って、権利落ち日に売れば、最短わずか2日で配当や優待を手に入れることができます。短期間で大きく儲けられそうで、良い戦略な気がしますよね。

しかし、この戦略には2つの落とし穴があります。注意するべきポイントを2つ見ていきましょう。

権利付き最終日・権利落ち日は値動きが激しい

権利付き最終日は株価が高く、権利落ち日は株価が低くなりがちです。つまり、権利付き最終日に買って権利落ち日に売る戦略だと、「株式を高く買って安く売る」という取引になる可能性が高いです。

どうしてこうなってしまうのかと言うと、同じことを考える人が大勢いるからです。配当や優待を狙う他の大勢の投資家も、権利付き最終日に買って翌日の権利落ち日に売ろうとしているのです。

それでも大して株価が下落しなければ良いのですが、値下がりによる損失が配当や優待による利益を大きく上回ってしまうこともあります。これでは本末転倒ですよね。

値下がりリスクが大きいため、少なくとも権利付き最終日に購入するのはおすすめできません。配当や優待が魅力的な銘柄は、ざっくり言うと権利落ち日が最も安く、そこから徐々に株価が上がり、権利付き最終日が最も高くなる傾向があります

したがって、遅くとも権利付き最終日の1ヶ月前位には購入しておくことをおすすめします。

長期保有者を優遇する株主優待もある

企業側は、株主にあまり頻繁に入れ替わってほしくないと思っています。そのため、長期保有者を優遇する株主優待もあります。

しかし、権利付き最終日は権利落ち日に売買して、かわるがわる色々な銘柄の株主になっていたら、長期保有の特典をもらうことはできません。長期保有の特典があって魅力的な銘柄があるなら、これと決めて長期保有するのも良いでしょう

とはいえ、全株を保有したままにするべき、というわけではありません。100株以上持っていれば株主名簿に記載されるので、100株は売買せず、それを超える分は売買して大丈夫です。300株持っているなら、長期の特典用に100株は売ってはいけませんが、200株は他の銘柄の配当や優待をもらうためにちょくちょく動かすことはできます

もし長期保有の特典が「300株以上の保有を3年以上」なら、他の銘柄を買うために売却した200株を、権利付き最終日までに買い戻しておきましょう。条件が「100株以上の保有を3年以上」なら、200株の買い戻しはしなくても大丈夫です。

長期保有でもらえる優待が拡充する銘柄は意外と多いです。優待をさらにたくさんもらってお得に生活できるチャンスなので、100株は売らないで残しておくなどの対策をしましよう。

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低リスクに優待を手に入れる方法

株主優待券
なんと、理論的には株価が下落するリスク無く、優待だけを手に入れる方法が存在します。それが「クロス取引」です。

ここからはクロス取引のやり方とリスクについて解説していきます。理論上はノーリスクですが、実際はある程度の支払いが発生することもあるので、リスクを理解してからクロス取引をしましょう。

クロス取引とは

権利付き最終日に買って権利落ち日に売ると、高確率で株価が下がるので、損失が出やすいと解説しました。これを解決するためには、同時に逆の注文を出しておけば良いのです。

つまり、「権利付き最終日に売って権利落ち日に買う」という信用取引の注文を出しておきます。現物買いで損失が出ても、信用取引で同額の利益が出るので、損益が相殺します。

この方法でも株主優待をもらう権利は自分のものになるので、理論上はノーリスクで優待を手に入れることができます

ただし、配当は手に入りません。現物買いで配当をもらう権利を得ますが、信用取引の方で配当を支払う側になるので、こちらも相殺されてしまうからです。

クロス取引のやり方

クロス取引は、以下の2つのステップでやることができます。

1. 権利付き最終日の寄付き(9:00)までに、現物買いと信用売りの成行注文を、同じ数量で入れる(同じ株価で買いと売りを成立させるため)

2. 翌日の権利落ち日に、保有している現物の株式を使って、信用売りを決済する(現渡し)

証券会社によってやり方は若干異なるかもしれませんが、概ねこの2つのステップでクロス取引をすることができます。簡単なので、誰でも挑戦できると思います。

クロス取引のリスク

理論上はノーリスクで優待を手に入れられるクロス取引ですが、実際にはある程度のお金の支払いが発生します。手数料と逆日歩の2つのコストについて見ていきましょう。

手数料

現物買いと信用売りの手数料だけでなく、信用売りの「貸株料」も負担しなければなりません。証券会社から株式を借りて売るので、その間の金利を支払わなければならないのです。権利付き最終日に売って権利落ち日に決済する場合、2日分の金利を支払います。

逆日歩

逆日歩(ぎゃくひぶ)とは、信用取引で発生し得るコストのことで、手数料や貸株料と違って事前に金額が分かりません。そのため、思ったよりも逆日歩でお金が無くなった、というケースがあり得ます。

そもそも投資家が信用売りをするときは、証券会社から株式を借ります。しかし借りたい投資家が殺到したら、証券会社も株式が足りなくなってしまいます。

そうなった場合、証券会社は他の金融機関などの機関投資家から株式を借りてきますコストを支払って株式を借りるので、最終的には信用売りをする投資家が負担します。これが逆日歩の正体です

対象銘柄の信用倍率を見れば逆日歩がどれくらいになるかは予測できるのですが、実際にいくらいになるかは取引が終わった後にしか分かりません。これがクロス取引の怖いところです。

ちなみに、逆日歩は制度信用取引でのみ発生し、一般信用取引では発生しません。初心者の方は、一般信用取引が使える銘柄でクロス取引に挑戦するのが良いでしょう。

必ず知っておきたい株式投資の基礎知識はセミナーで

株式投資セミナーの参加者
権利確定日、権利付き最終日、権利落ち日について解説してきました。配当や優待を狙って投資をするなら、絶対に知っておきたい基礎知識です

クロス取引のようなテクニックも使えば、優待を手に入れやすくなります。リスクに納得できる方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

株式投資の基礎知識はセミナーで学ぶことができます。知識がゼロの状態で参加できる初心者向けセミナーもたくさん行われているので、ぜひ参加してみてください。

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