投機ってどういう意味?投資との違いは?

投機」と「投資」、よく似た言葉ですよね。同じ意味だと思って使っている方をよく見かけるのですが、ニュアンスはかなり違います 。

お金を増やすためにするべきなのは、投機ではなく投資です。

2つの言葉の意味を解説するとともに、投機でお金を失う理由や投資でお金を増やせる理由も見ていきましょう。

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投機と投資の違い

積み立て投資を表現したイラスト

一般には、投機は短期で儲けるチャンス狙うので短期取引、投資は将来有望な人や企業に出資するため長期取引とされています。しかし、実は投機と投資は明確な線引きが無く、違いがあいまいな用語です。短期の投資も無いとは言えないので、時間だけに注目して投機と投資を分けるのは適切ではないでしょう

言葉で定義するのが難しいので、投機と投資の具体例を見ていきましょう。具体例を知ることで、投機と投資の境界がイメージできるようになります。

投機の具体例とは?

投機の具体例としては、以下のようなギャンブル性の高いものが挙げられます。

  • 宝くじ
  • パチンコ、パチスロ
  • 競馬、競輪、オートレース
  • カジノ

ギャンブルは基本的には運任せでお金を稼いだり、失ったりするものです。将来有望な人やモノに投資しているわけではなく、その場限りのチャンスをものにしようとお金を賭けるものなので、”投機”なのです

また、以下のような短期のトレードも投機と言えます。

  • スキャルピング
  • デイトレード

いずれもFXや株式などを取引するスタイルの一つです。スキャルピングは数秒から数分で売買を繰り返すこと、デイトレードは取引を1日以内に終えることです。FXや株式という商品を対象とするため、投資だと思われがちなのですが、目的に照らして考えると投資ではなく投機です。

というのも、投資とは数年先を見据えて出資するものだからです。スキャルピングやデイトレードでは、銘柄の成長を狙った利益ではなく、激しい売買によって揺れ動く価格変動を利益にしています。銘柄の将来性はあまり関係なく、今価格が動いているかどうかが重要な取引なのです。

そのため、スキャルピングやデイトレードは投機的な取引となります。数週間サイクルで株式などの売買を行うスイングトレードも、場合によっては投機になります。投資と投機の中間くらいに位置づけられるでしょうか。
[box04 title="投機とは"]このように、将来性とは関係なく今すぐに儲けることを狙うのが投機です。商品が株式など投資らしく感じられるものでも、目的によっては投機になってしまいます。[/box04]

投資の具体例とは?

他方、投資にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
以下のような行動が投資であり、一見お金とは関係なさそうなものも投資と言えるのです。

  • 株式や不動産を買い、数年以上保有する
  • 子どもを塾や予備校に通わせる
  • キャリアアップのために資格の勉強をする
  • 人脈を広げるためにパーティーに出席する
  • 健康を維持するためにスポーツクラブに通う

1つめの、株式や不動産を買うことが投資なのは分かりやすいと思います。将来有望な企業の株主になれば、株価の値上がりによる利益や配当金が期待できます。また、賃貸マンションなどを所有して他人に貸し出せば、家賃収入という不労所得を得られます。これらは目先の利益というより、長期的な目線でお金を稼ぐための行動なので、投資と言えます

その他はマネーとは関係が無いように感じられますが、実はれっきとした投資行動です。子どもを塾や予備校に通わせることで、学力や学歴が身につけば就職で選択肢が広がります。創造力が豊かに育てば、起業という選択肢もあり得るでしょう。子どもが大人になってから困らないように、早いうちに塾や予備校で勉強することは投資と言えます

大人が資格を取るのも同じで、資格を取って昇給できれば収入が増えて豊かな暮らしができます。人脈を広げるためにパーティーに出席することも、仕事の幅を広げたり好待遇の会社に転職したりするために重要なことです。これらはいずれも、将来的に収入が増えることを目指して努力することなので、投資と言えます

スポーツクラブに加入することも投資と言えます。健康を維持すれば将来の医療費を節約できると考えられますし、何より老後も健康な方が幸せですよね。ただし、入会したけどあまり通っておらず、幽霊会員になっている…という場合は投資ではなく浪費になっているのでご注意を。

ちなみに、先ほど投機の例として競馬を挙げましたが、一流の競走馬を育てるために馬を買うといった行為は投資と言えます。馬券を買う行為は投機ですが、将来性のある馬を育てるためにお金を使うことは、投資になるのですね
[box05 title="投資とは"]以上のように、将来を見越して今お金を使うことを「投資」と言います。その意味では、株式や不動産を買うことだけでなく、自分磨きや子どもの教育も投資と言えます。[/box05]

投機と投資のどちらに取り組むべき?

投機でお金を失った人のイラスト

投機も投資もお金を稼ぐことを目的としていますが、手堅く稼ぎたいなら「投機」は辞めて「投資」をするべきです。投機はお金を失いやすいので辞めた方が良く、堅実に稼げる投資をした方が良いからです。

どうして投機でお金を失うのか、また投資でお金を増やせるのか、理由を解説していきましょう。

投機でお金を失う理由

投機は一般的に「マイナスサムゲーム」と呼ばれる取引が多く、お金を失いやすい構造になっています。宝くじの仕組みを使って、マイナスサムゲームについて解説していきましょう。

宝くじは、くじを買った人のお金を賞金として、当たった人たちに分配する仕組みでできています。つまり、外れた人から当たった人にお金が動くだけなので、合計のお金の量に変動が無く、「ゼロサムゲーム」と呼ばれるものになります。

しかし、くじを買った人のお金の一部は胴元のものになります。くじを買った人のお金から手数料のようなお金が差し引かれ、当たった人に分配されるのです。つまり、参加者のお金が少し減って分配されるため、合計値がマイナスであるという意味の「マイナスサムゲーム」と呼ばれているのです。

実際の宝くじのお金の流れはもう少し複雑ですが、基本的にはこのような構造です。他の投機でも同じで、胴元の収入や手数料が差し引かれるため、賞金は参加者のお金より小さくなるのです

マイナスサムゲームの欠点は、負けて損失を出す人の人数の方が多いことです。参加者のお金の一部が胴元のものになるので、全員が儲けることはできないのは当然ですよね。

つまり、投機は少しの勝者と多くの敗者を出す取引になりやすいのです。

ギャンブラーはなぜか「自分は少しの勝者になれる」と信じている方が多いのですが、客観的な根拠は無いですよね。むしろ、ほとんどの人は敗者になる可能性の方が高いので、投機はお金を失いやすいのです

投資でお金を増やせる理由

一方、投資はお金を増やしやすいです。投資先の成長が投資家の利益になるため、投資先と投資家がWin-Winになり、全員が勝てるゲームと言い換えられるからです。投機がマイナスサムゲームなのに対し、投資は「プラスサムゲーム」だと言えます。

株式に投資する場合を例に、投資でお金を増やせる理由を見ていきましょう。

企業がビジネスを行うためには、元手となるお金が必要です。その一部を負担するのが株主(投資家)で、株式を買うことで出資します。企業はそのお金を使ってビジネスを行って利益を生み出し、利益の一部を投資家に還元します。企業がお金を生み出すのがポイントで、投機と違って全体のお金が増えるので、プラスサムゲームなのです

ただし、企業がビジネスに失敗した場合など、全員で損をしてしまうこともあるので、将来有望な銘柄を選ぶのが大切なポイントです。良い銘柄に投資できれば、投機と違って堅実に利益を出すことができるでしょう。

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お金を増やしたいなら”投資”をしよう

がまぐちを持つ笑顔の女性
投機の意味を中心に、投機と投資について解説してきました。

投機は短期でギャンブル的な取引、投資は将来性を見据えた長期的な取引です。

お金を増やしたいなら、マイナスサムゲームの投機ではなく、プラスサムゲームの投資が絶対におすすめです。

投機で儲けられるのは一握りですが、正しい銘柄に投資をすれば誰でも儲けられるからです。

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