ヘッジファンドとは? 投資初心者の私にも関係ある?

世界にはさまざまな投資商品がありますが、お金持ちに圧倒的に人気があるのがヘッジファンドです。富裕層向けの投資のため、一般的には情報が出回らず、謎めいた印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

投資の初心者でも、ヘッジファンドというキーワードは聞いたことがある方は多いでしょう。この記事では、ヘッジファンドとは何か、初心者も申し込んで良いのかなど、謎めいたヘッジファンドの基礎知識を解説していきます。

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ヘッジファンドとは?

チャートを見てガッツポーズする投資家
ヘッジファンドとは、投資家がお金を投資会社に預け、投資会社が投資家の代わりに資産運用する仕組みの投資商品です。投資家はプロに運用してもらえるので手間をかけずに高い利回りを狙えます。投資会社は大勢の投資家から集めた多額の資金を使って自由度の高い運用ができるので、手数料や成功報酬だけでも莫大な利益を得ることができます。投資家にとっても、投資会社にとってもWin-Winの関係になる商品です。

ヘッジファンドと投資信託の違い

ヘッジファンドの特徴はプロに運用を任せられることですが、似たような商品に投資信託があります。投資信託も、投資家がお金を投資会社に預け、代わりに運用してもらう商品なので、仕組みは似たようなものです。両者の大きな違いは、運用手法と最低申込額の2つで説明することができます。

運用手法の違い

ヘッジファンドは絶対収益、投資信託は相対収益を目標とする点が異なるので、両者は運用方法が全く異なります。

まずは相対収益を掲げる投資信託から説明していきましょう。投資信託で運用できるのは、株式や債券、不動産など一般の投資家でも手に届く投資先が多いです。これらの商品に投資して、市場平均よりは良いパフォーマンスを出すのが投資信託の目標です。

相対収益を目標とする投資信託は、市場平均(株価指数など)がプラスのときはそれを上回るプラスを目指します。一方、市場平均がマイナスのときは投資信託の成績もマイナスになってしまうかもしれません。ですが、市場平均のマイナスよりマシであればOK、という目標が相対収益です。市場平均に比べて相対的に良い運用成績であれば問題ないのです。

絶対収益を掲げるヘッジファンドは、マーケット平均がプラスのときもマイナスのときも、プラスの運用成績になるように投資戦略を工夫して運用しています。投資信託と同じ一般的な金融商品だけでなく、専門的で金融工学の知識が無ければ扱えないような投資対象にまで投資をし、常にプラスの収益が出るように運用する商品なのです。それゆえに、1年で20%もの利益を稼ぎ出すヘッジファンドもあります。

ヘッジファンドのヘッジ(Hedge)は「避ける」という意味で、金融市場が下落しているときでも利益が減らないようにリスクヘッジした運用手法を取っているのです。先物取引などを利用すれば、相場の下落がリスクにならないようヘッジすることが可能です。

したがって、相対収益の投資信託よりも絶対収益のヘッジファンドの方が大きな利益を期待することができます。

高利回りが期待できるヘッジファンドに投資したい、と思った方も多いのではないでしょうか。

最低申込額の違い

ヘッジファンドを申し込む前に知っておきたいのが、最低申込額です。投資信託は1000円や1万円、インターネット証券会社なら100円といった少額でも申し込むことができるのですが、ヘッジファンドの最低申込額は1000万円であることが多いです。一部のファンドでは500万円に設定されていることもありますが、それでもかなり高額と言えるでしょう。

絶対収益が魅力のヘッジファンドですが、1000万円といったまとまったお金が無いと申し込むことができないので、基本的には富裕層向けの商品と言えます。

そこまで大きなお金を出せない人や、まずは少額で投資を試してみたい人にとっては、ハードルが高い投資商品でしょう。

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ヘッジファンドは投資初心者にも関係ある?

上昇するチャートを持ち上げる人
専門的な商品を駆使してプロに運用を任せられるヘッジファンドですが、まだ日本では一般的な投資先と言えるほど普及してはいません。ヘッジファンドの本場のアメリカでも、富裕層向けの投資方法という認識です。

したがって、これから投資を始める人や始めたばかりの人は、基本的には検討しなくてよい投資先と考えられます。ですが、次の条件のうち1つでも当てはまる場合、ヘッジファンドを申し込んでも良いかもしれません。初心者だからといって気後れすることは無いので、各条件をご覧になってから判断していただければと思います。

  1. 1000万円以上を運用できる
  2. 有利な条件で申し込める

1000万円以上を運用できる

日本のヘッジファンドでは、多くの場合、最低申込額は1000万円です。これを上回る金額を投資できるなら、絶対収益を追求するヘッジファンドに投資してハイリスク・ハイリターンの運用をしても良いと考えられます。

ただし、投資に使って良いのは余剰資金のみです。退職金で1000万円をもらったからといって、ヘッジファンドに全額投資するのは非常にリスクが高いです。退職金は余生を豊かに過ごすための生活費と見なせるので、ローリスク・ローリターンで少しずつ増やす「守りの運用」が向いています。

ヘッジファンドは高い利回りを狙える投資商品ですが、ファンドマネージャーが相場を見誤って莫大な損失を被る可能性もあるので、生活費を運用するにはリスクが高すぎます。

ヘッジファンドは1000万円を安いと感じられるくらいの富裕層に向いている商品です。投資初心者でも全体で数億円規模の資産がある人には、おすすめできる投資先です。

有利な条件で申し込める

ヘッジファンドの最低申込額は1000万円のことが多いのですが、場合によってはもっと少額でも申し込めることがあります。投資信託と違って金融機関のホームページからワンクリックで申し込めるものではなく、投資会社の担当者との面談を経てから契約になるので、話の中で投資家に有利な条件を出してもらえることがあるのです。

例えば、基本的には1000万円以上の申し込みが必要な場合でも、500万円から始めて少しずつ投資額を増やしていきましょう、といった条件で納得してもらえるケースがあります。

譲歩してもらえて申し込みしても良いと思える条件を引き出せることもあるので、ハードルが高いと感じている方も資料請求くらいは試してみても良いかもしれません。

ヘッジファンドの申し込み方法

ヘッジファンドを興味深く調べる女性
ヘッジファンドは投資信託と異なり、投資家を広く募集するタイプの商品ではありません。1人の投資家から多額の資金を預かるので、少数の富裕層の申し込みを集められれば十分です。したがって、「私募」という形式を取ります。

投資信託(投信)は大勢の投資家から少しずつ資金を募集するため、金融庁への届け出を行った上で勧誘を行うという規制があります。このような募集の形式が「公募」ですが、50人未満の少数の投資家に対してのみ勧誘する場合は届け出が必要なく、これを「私募」と言います。ヘッジファンドは後者の形式で投資家を募集しており、大人数の申し込みが殺到すると困るので、あまり人目につくところに情報を出していません。

ではヘッジファンドにはどのように申し込みするのかというと、人の紹介かホームページからの申し込みが一般的です。紹介の場合、投資家仲間からの紹介や、プライベートバンクの担当者からの紹介などがあります。

また、多くのヘッジファンドはホームページを持っているので、資料請求や面談を経てから申し込むこともできます。ヘッジファンドは競合他社に手の内を見られるのを嫌うため、ホームページにはほとんど情報を出していないことが多いので、面談で投資戦略や目標などについて詳しく説明を聞くことができます。

まとめ

ヘッジファンドの基礎知識について解説してきました。絶対収益を目指すハイリスク・ハイリターンの運用で、最低申込額は1000万円以上と富裕層向けの商品です。

初心者にはハードルが高く感じられる投資方法ですが、運用資産が潤沢な方や、興味がある方は積極的に資料請求や面談を設定してみてはいかがでしょうか。

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