投資先を探すときに便利なのが「72の法則」です。
お金が増えるペースを予測できる簡単な計算式なので、活用しながら投資商品を選びましょう。
この記事では、72の法則とは何か、どのように使うのかを解説していきます。
代表的な投資商品ごとのリスクと目安の利回りも解説するので、72の法則を使いながら自分に合った投資先を選んでいきましょう。
この記事の目次
72の法則とは?
「72の法則」とは、お金が2倍になる期間が分かる以下の計算式のことです。
72÷金利(%)≒お金が2倍になるのにかかる期間(年)
「=」ではなく「≒」としたのは、この法則が大体の年数を計算するのに使われる式であり、正確な等式ではないためです。2倍になるのにかかる年数をざっくり計算したいときに使える、簡易的な式だと理解してください。
72の法則は投資でお金を増やすときにも使えますし、リボ払いなどの負債に当てはめれば、何年で借金が2倍になるのかが分かります。これらの活用方法を詳しく見ていきましょう。
72の法則を投資で使う場合
投資で活用する場合、商品の利回りを金利に当てはめれば、お金が2倍になるのにかかる年数が分かります。金利を1%、3%、5%と想定した場合、72の法則を使って以下のように2倍に増やすのにかかる年数を計算できます。
- 1%の場合:72÷1≒72年
- 3%の場合:72÷3≒24年
- 5%の場合:72÷5≒14年
以上の計算から、利回りが高いほど、早く2倍に増やせることが分かります。
実際に投資の目標を2倍にすることに設定するかは別として、どれくらいの期間で2倍に増えるかが分かれば、商品選びの参考になるのではないでしょうか。
72の法則を負債で使う場合
分割払いやリボルビング払いなどでお金を借りる場合、元本だけでなく金利を上乗せして借金を返済していくことになります。トータルの返済額は借りた金額よりも高くなるので、何年で返済額が2倍になるのかを調べるのにも、72の法則を使うことができます。
クレジットカードの分割払いやリボ払いの金利は12%~15%程度が一般的です。法律の上限が18%なので、最大は18%となります。これを踏まえて、12%、15%、18%を例に72の法則に当てはめ、どれくらいの期間で返済額が2倍になるのか計算してみましょう。
- 12%の場合:72÷12≒6年
- 15%の場合:72÷15≒5年
- 18%の場合:72÷18≒4年
以上の計算から、12%と低めの金利でもたった6年で返済額が2倍になってしまうことが分かります。18%の場合は4年で2倍になってしまいます。
もし分割払いやリボ払いを利用したいと考えているなら、カード会社の金利を72の法則に当てはめて計算してみてください。分割払いやリボ払いは簡単に利用できますが、実はあっという間に借金が2倍になってしまう罠も潜んでいるのです。
このように計算すると、分割払いやリボ払いを安易に利用することの恐ろしさをご理解いただけると思います。
数年で返済額が2倍になってしまうことが分かれば、本当に必要な買い物なのか吟味したり、お金を貯めてから一括で買うことを考えたりできるでしょう。
放置でお金が増えるのはなぜ?
72の法則を投資に当てはめると、数十年でお金を2倍に増やせることを解説しました。お金が勝手に増えていくことを前提に説明してきたのですが、働いて貯金しているわけでもないのに、お金が増えるなんて違和感があるかもしれません。
そこで、放置でお金が増える投資の仕組みについて解説していきます。投資とは、将来有望な企業などに出資を行い、企業が利益を出したらその一部を投資家に支払うものです。企業も投資家も利益が得られるので、Win-Winの仕組みです。
投資家のお金が勝手に増えるのはこの仕組みのお陰です。企業が利益を出してくれるので、投資家は基本的には何もしていなくても利益がもらえるのです。お金で出資すること自体が貢献なので、他にあくせく働いて貢献する必要がありません。そのため、出資した後は放置でお金が増えるというわけです。
投資の利回りとは?
投資をすると企業などの投資先が利益を出して投資家に支払ってくれるので、投資家は放置でお金を増やせると解説しました。「利回り」とは、出資するお金に対してどれくらいのリターンがあるかを示す指標で、投資先を選ぶときに重要視されます。
例えば予定利回りが5%の投資先だった場合、100万円を出資した投資家は5万円の利益を得られることが期待できます。利回りが高いほど、大きな利益を期待することができます。
投資信託や株式など値動きがある商品の場合、値上がり益と配当金・分配金を合わせた利益をもとに利回りを計算することが多いです。配当金や分配金は企業や運用会社からの発表があるので予測しやすいのですが、値上がり益は予測しにくいので、利回りを分かりにくくしています。
リスクとリターンの関係
利回りが高いほど多くの利益を期待できるので、できるだけ利回りが高い投資先を選ぼうと思った方も多いでしょう。しかし、リスクとリターンは比例することをご理解いただき、安易に高利回りな投資先にばかり投資しないよう注意してください。
投資は元本保証ではなく、元本割れのリスクがあります。投資した企業の株価が下がって慌てて売却すると、株式を買ったときよりも安い値段で売ることになり、元本が減ってしまうからです。また、元本割れしなかった場合でも、投資先が事業に失敗するなどの理由で配当金や分配金が得られないといった予想外の事態になる可能性もあります。投資には、期待したとおりに上手く行かず、失敗してしまうリスクもあるのです。
リスクとリターンは基本的に比例しているので、利回りが高い投資方法ほどリスクも高くなります。安易に利回りの高さだけで商品を選んでしまうと、知らないうちに失敗するリスクも高い商品を選んでしまっているかもしれない、と言えます。そのため、利回りだけで商品を選ぶのは危ないのです。
かといってリスクを低く抑えようとすれば、低い利回りで我慢することになってしまいます。自分にとって居心地の良いバランスで投資をしていくことが重要です。
投資商品の目安の利回り
ご自身にとって最適なリスク・リターンの商品を選んでいただくためにも、代表的な商品について解説していきます。投資信託、不動産、株式の3つについて目安の利回りを解説していくので、これを参考に商品を選んでいきましょう。
投資信託
投資信託は、投資会社が投資家のお金を預かって運用する商品です。プロに運用や管理を任せられるので、投資の経験が無い初心者の方にも人気がある商品です。
投資信託の利回りの目安は1%~3%程度です。72の法則に当てはめると、お金を2倍に増やすのにかかる期間は24年から72年と長めです。
利回りが低めな分、リスクも低いのが投資信託の特徴です。投資会社が莫大なお金をまとめて運用しているため、個別の投資先の業績悪化などのリスクが薄まり、資産価値が変動しにくいからです。
不動産
不動産はミドルリスク・ミドルリターンの投資先です。投資家がマンションやアパートを購入して賃貸として貸し出すことで、入居者から家賃収入を貰うことができます。
不動産の利回りは5%前後が目安となります。72の法則に当てはめると、お金を2倍に増やすのにかかる期間は14年程度となります。
不動産は一度入居した人から安定した家賃収入が得られるメリットがあるのですが、空室ができると収入が絶たれるデメリットがあります。投資信託よりも高い利回りが期待できますが、リスクも高くなるため安定度は下がります。
株式
株式投資は、企業に出資することで利益の一部をもらったり、株価の上昇による値上がり益を得たりする投資方法です。ミドルリスク・ミドルリターンからハイリスク・ハイリターンの商品です。
株式の利回りは3%~7%程度が目安です。72の法則に当てはめると、お金を2倍に増やすのにかかる期間は24~10年程度となります。
期待できる利回りが高く早くお金を増やせると期待できる一方で、企業の業績によって株価が値動きするリスクもあります。業績が悪化したら投資した資産の評価額も減少してしまうので、元本割れのリスクも高くなります。
72の法則で自分に合った投資商品を見つけよう
72の法則を中心に、投資のリスクやリターンについて解説してきました。
大切なのは、過度なリスクを取らないことと、リスクを怖がりすぎないことです。自分に合った投資商品を見つけるには、どこまでのリスクは覚悟できるのかを考えることと、これ以上のリスクを取るのはマズイと線引きすることです。
72の法則を使えば、お金が増えるペースを簡単に計算できます。投資商品を探すときは、利回りを見て72の法則を当てはめ、参考にしてください。
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