【投資信託】分配金の相場や平均から見る商品の選び方

投資信託が人気の理由の一つに、毎月分配金を受け取れることがあります。しかし、どれくらいの分配金をもらえるかは商品によって異なり、商品選びを難しくしています

配当金の金額イメージがつかない
商品が多くて選べない

という理由から、なんとなく面倒に感じ1歩が踏み出せない方も多いです。

そこでこの記事では、投資信託の分配金の相場・平均や、目標の利回りによってどんな商品を選んだら良いのかを解説していきます。

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投資信託の分配金の相場・平均

分配金の資料
投資信託の分配金は幅が広いため、相場や平均がいくらです、とビシッと言うことはできません。

一口に投資信託といっても、株式に投資する商品と債券に投資する商品とでは、分配金利回りが全く異なるからです。株式と債券の収益性が異なるため、投資信託の分配金の大小も異なります。

また、先進国の安定した銘柄に投資するのと、新興国の急成長を狙った銘柄に投資するのでも、分配金は大きく異なります。さまざまな理由で、投資信託は商品によって分配金が大きく異なるのです

以上のように投資信託は商品性が様々なので、分配金の目安をお示しすることが難しいです。ひとまず、全体的に分配金ありの商品と分配金なしの商品に分け、どれぐらいの分配金利回りを期待できるのかざっくり検討していきましょう。

分配金ありの場合

分配金ありの投資信託の場合、分配金利回りは0%〜30%程度です。
1万円を投資した場合、1年間の分配金は0円から3000円まで、バラツキがあるということです

かなり幅が広いのですが、30%に迫るような高い利回りが出せる商品は稀です。また、「去年はたまたま運用が上手く行って30%の分配金を出せたけど、今年は上手く行かないから分配金は無しです」といったケースもあり、毎年高利回りを期待するのは難しいです。

成績が安定している投資信託だと、分配金利回りは1%〜5%程度に落ち着くでしょう。1万円を投資すると、1年で100円〜500円の分配金を受け取ることができます

分配金ありの投資信託は、「銀行預金よりは高い利回りが欲しい」という方に向いています。
5%を超える利回りが欲しい場合、高利回りな投資信託だけでなく、株式や不動産など他の投資方法も調べてみましょう。

分配金なしの場合

投資信託には、分配金が支払われないものもあります。分配金がないと損しているように感じられますが、実はある観点では分配金ありの投資信託よりもメリットがあると考えられます

分配金ありの投資信託では、運用の利益を投資家に支払います。一方で分配金なしの投資信託では、運用の利益を支払わず、投資信託の運用資産に組み込みます。つまり「利益の再投資」が行われます。

分配金なしの投資信託だと、利益を再投資することによって元手を膨らませ、さらに大きな利益を追求することができます。分配金はないのですが、分配金として支払うよりも早く資産を増やすことができます。これを「複利効果」とも言います。

毎月の不労所得が欲しいなら分配金ありの投資信託が合っていますが、「今は収入が十分だから、すぐに不労所得が欲しいわけではない」という方もいらっしゃるでしょう。

そのような方には、将来的により大きな資産になることが期待できる、分配金なしの投資信託がおすすめです。

投資信託の種類別の分配金

投資商品の種類
分配金の金額は、投資信託の種類によって大きく異なると解説しました。狙いたい利回りによって、投資するべき投資信託の種類が変わるのです

そこで、目安となる分配金利回りごとに、どんな投資信託に投資をすれば良いのか見ていきましょう。

1%〜3%:安定重視

銀行預金よりも少し高い利回りが狙えれば良い、という方は、日経平均株価やTOPIXに連動するインデックス投資信託がおすすめです。

市場平均と同じくらいの運用成績を目指す商品なので、投資信託を運用する会社も無理な運用はしません。

国内だけでなく、アメリカの株価指数S&Pに連動する商品や、先進国または全世界の株式に投資する商品もおすすめです。

インデックス型の投資信託の特徴は、市場平均と同じくらいのパフォーマンスを目指すため、上場している多くの株式に少額ずつ投資していることです。そのため、個別の企業の業績悪化や不祥事で株価が下落しても、他の銘柄の収益が支えてくれるので、大きな損をしにくいです

ローリスク・ローリターンな投資をしたいなら、インデックス型の投資信託を買ってみましょう。大きな利益は狙いにくいですが、大損もしにくいメリットがあります。

5%〜10%:中程度のリスク

インデックス型の投資信託よりも高い利回りを狙いたいなら、以下の特徴がある投資信託がおすすめです。

  • 国内の中小企業に投資する
  • ハイテク株など勢いのある銘柄に特化している
  • アクティブ型投資信託

先ほどのインデックス投資では、利益が出ている企業だけでなく、斜陽産業も含めて全体的に投資しています。ここから斜陽産業を除き、利益が出やすい企業にだけ投資をするように工夫しているのが、上記の3つの投資信託です。

ただし、投資する銘柄数が少なくなるためインデックス投資信託より値動きが不安定になりやすいです。また、投資会社が「この企業は儲かりそうだ」と考えて投資をするのですが、その読みが外れてしまうこともあります。確実に高い利回りを得られるわけではないので、理解しておきましょう。

また、REIT(不動産投資信託)の投資信託を使う方法もあります。不動産投資を小分けにしたような商品で、5%〜10%程度の分配金利回りを狙うことができます。

REITも元本保証ではありませんし、目標の分配金を下回ることもあるのですが、不動産に投資できる点が魅力です。投資信託は株式の商品が多く、投資家は気付かないうちに株式に偏った投資をしがちなのですが、REITにも投資することで偏りを直すことができます。投資先が分散されて安定性が増すので、5%以上の分配金利回りを狙うなら複数の投資信託に投資しましょう。

10%超〜:ハイリスク・ハイリターン

投資信託でも分配金利回りが10%を超える商品があるので、ハイリターンを目指すことも不可能ではありません。とは言え、それだけリスクの大きい商品でもあるので、納得できる人だけ投資をしましょう。

ハイリスク・ハイリターンの商品だと、以下のような投資信託が挙げられます。

  • 国内の小型株に投資する
  • 海外の成長株に投資する
  • 新興国の株式に投資する

以上の3種類に共通するのが、株価の変動の激しさです。急上昇しやすいので高い利回りが狙えるのですが、急降下もしやすいので、損失を被るリスクも大きいです

それも、分配金が減るだけならまだ良いですが、投資会社が運用に失敗して投資家の資産を溶かしてしまう可能性があります。利益が出ていないのに、後述する特別分配金を支払って利益が出ているように見せかけ、実際は資産を溶かしていた…というケースも考えられます。

よって、分配金利回りの高さにつられて商品を選んでしまうのは危険です。安定重視の商品で基礎固めをし、余っている余剰資金でハイリスク・ハイリターンの商品を買ってみるなど、資金管理の工夫をしましょう

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普通分配金と特別分配金

分配金には、普通分配金と特別分配金(元本払戻金)の2種類があります。

普通分配金は、投資信託を運用することで生まれた利益を分配するお金です。利益なので税金がかかります。

特別分配金は、元本払戻金とも呼ばれており、投資家が出資した元本の一部を払い戻すお金です。利益ではなく、元本の払い戻しであることに注意しましょう。

利益ではなく、もともと投資家のお金だったものを返金するだけなので、特別分配金には税金がかかりません。「利益が非課税になってラッキー!」と勘違いされる方がいらっしゃるのですが、特別分配金は利益ではないので、覚えておきましょう

目標利回りから自分に合った商品選びをしよう

投資信託セミナーで学ぶひとたち
投資信託の分配金の相場について解説してきました。商品によって分配金利回りが大きく異なるため、一概にこれくらいと表現できないのですが、それが商品選びを難しくしています。

この記事では目標の利回りごとに商品を解説したので、投資のヒントにしていただければと思います。

利回りが高い商品はリスクを大きいことを踏まえて、自分に合った商品を選びましょう。

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