「仕事やプライベートで忙しくて、株を売買する時間があまりない」
「株に長期投資するメリットや銘柄の選び方について知りたい」
時間に余裕がない人におすすめの資産運用として長期投資という方法があります。株を長期間保有することで手数料を節約でき、少ない取引回数で大きなリターンを狙えるのがメリット。
この記事では資産運用を検討する社会人に向けて、長期投資の基本と銘柄を選ぶコツについて解説します。
この記事の目次
株式の長期投資とは
将来伸びる可能性のある企業の株を買っておき、長期的に保有する方法が長期投資です。1年から10年以上も同じ銘柄を保有することで、投資家は株価の上昇や配当金によりリターンを得られます。
実際に数年間で業績が大きく改善して、株価が数倍以上になった企業は多数存在するもの。例えば日本航空(9201)の場合、2012年9月に再上場したときは株価が1,840円でした。
その後に経営状態が改善して投資家からの魅力が高まり、2015年8月には4,710円の高値を記録しています。3年程度のJALに対する長期投資により、投資家は資産を2倍以上に増やすことができたのです。
もちろん、事業が思うように上手くいかず、数年後に株価が大きく下がってしまう企業も多く存在します。長期投資であっても損失のリスクがあることを知っておきましょう。
短期投資との違い
長期投資とは対になる手法として短期投資があります。短期投資の目的は数時間から1日の間に株を売買して、短い期間における株価変動からリターンを得ることです。
株を保有している期間が異なるため、投資家が参考にする分析方法が長期投資と短期投資によって違います。例えば長期投資の場合、将来性のある企業を見つけるためにファンダメンタル分析が重視されやすいです。
一方、短期投資の場合は市場に左右されやすいため、テクニカル分析がよく使われる傾向。また、相場が下がっているときも儲けるために、短期投資では信用取引で空売りする場合があります。
長期投資と短期投資によって銘柄の分析方法や手法に違いがあるもの。株を売買する時間を確保するのが難しい人は長期投資でリターンを得ることがオススメです。
長期投資するメリット
あなたが長期投資する一番のメリットはいつも株価を気にせずに済むことです。成長する見込みのある銘柄に投資しておき、後は値上がりを待つことが長期投資では重要になります。
株を売買する回数が少ないことで、取引にかかる手数料を少なくできるのもメリット。手数料の安いネット証券であっても株式売買手数料は約100円であり、売買回数を減らすことでコストを抑えられます。
また、同じ株を保有し続けることで会社から配当金や株主優待を貰えるのも長期投資の利点です。株の平均配当利回りは日経平均で約2%であり、銀行に預金するよりも多額のリターンに期待できます。
長期投資するデメリット
長期投資でリターンを得るには1年以上の期間をもって、投資した会社の成長を待つことが必要です。もし投資した会社が成長しなかった場合、大きな機会損失につながるリスクがあります。
例えば株価が1,000円であるA社とB社があるとして、A社の株を100株投資するとします。そして1年後にA社は業績不振で株価が500円にまで下がってしまい、逆にB社の株価は2,000円まで伸びるとします。
この場合ではA社に投資してしまったことで5万円の損失が発生しただけでなく、B社に投資することで得られた10万円も失っています。A社に投資した人は15万円のお金と1年間の時間を損することになるのです。
会社に長期投資するときはリスクを減らすために、定期的にニュースや業績を確認しておくことが重要。予想を外してしまうと多くのお金と時間を失う危険性があります。
長期投資に適した銘柄を選ぶには
「どのような銘柄が伸びるのか知りたい」と思う人は多くいるでしょう。これから長期投資を始めるならば、次のような条件を満たした企業の株を選ぶことがオススメです。
- グローバル展開に対応している
- 利益率が高い
- 自己資本比率が高い
- PERが15倍未満
それぞれの条件について具体的に解説します。
グローバル展開に対応している
日本では少子高齢化により人口が減少していて、消費者の数は年々少なくなっています。売上を伸ばすためにグローバル展開している企業であれば、国内にこだわる企業よりも将来性が高いこと。
グローバル展開への積極性を調べるには、企業の海外売上高比率をチェックすることがオススメです。50%以上の海外売上高比率を達成していれば、その企業は海外展開を重視していることが分かります。
利益率が高い
売上に対して発生する経費が少なく、利益率が高い企業を選ぶことも長期投資では重要です。利益率が高いと競合他社に対する優位性が高く、今後の事業成長に十分期待できます。
業界によって利益率の相場は異なりますが、一般的に5%から15%であれば利益率が高いといえるもの。インターネットで「○○(会社名) 利益率」と検索することで、ほとんどの企業の利益率をチェックできます。
自己資本比率が高い
企業が保有している資産を負債を含めた総資本で割って計算できる指標が自己資本比率です。自己資本比率が高いほど資産に対する負債の割合が少なくなり、その企業は倒産しにくくなります。
利益率と同じく適切な自己資本比率も業界によって異なりますが、一般的に40%以上であれば倒産リスクが少ないと判断できるもの。よりリスクを抑えたい人は自己資本比率が70%以上の企業に投資しましょう。
PERが15倍未満
株価の割安感を調べるときに役立つ指標がPERです。PERは企業の株価に対する純利益が高いほど低くなり、一般的に15倍未満であればその企業の株は割安であるといえます。
長期投資で割高な銘柄を選んでしまうと、月日が経っても値上がりに期待できない場合があること。なるべく割安な株に投資するために、銘柄を選ぶときはPERもチェックしておきましょう。
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この章では長期投資をする際の運用テクニックについて4つ紹介します。"]
まとめ
1年から10年以上も同じ株を保有し続けて、値上がり益を狙う方法が長期投資です。将来性のある企業に長期投資することで株価の上昇や配当金によるリターンに期待できます。
長期投資を始めるときは海外売上高比率や利益率といった指標を見て銘柄を選ぶことが重要です。忙しい社会人が資産運用するときは、手間の少ない長期投資に挑戦してみましょう。