節税対策を学ぶ

親を扶養に入れた方がお得?親を扶養に入れるメリット・デメリット

笑顔で寄り添う親子

近頃は、核家族化で1世帯の人数が少なくなりました。両親のどちらかが亡くなり、片親となった親を心配する子どもも増えてきています。そのような状況下で多い相談は「親を扶養に入れると節税対策になるのか?」ということです。

実際に、親を扶養に入れると恩恵を受けることができるのでしょうか?親には、安心して暮らしてもらいたいと思うのは、子どもの切なる願いかもしれません。

ここでは、親を扶養に入れるメリット・デメリットについて分かりやすく解説します。ぜひ、これから親を扶養に入れることを検討している方は、この記事を参考にしてみてください。

親を扶養に入れられる?

結論から説明すると、親を扶養家族へ加入することはできます。しかし、扶養するための条件があります。ここでは、親を扶養に入れるための条件について分かりやすく解説します。

税金の扶養控除を受ける条件

扶養者が扶養控除を受ける場合は、下記の条件をすべて満たしている必要があります。

税金の扶養控除を受ける条件

  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の婚族)であること
  • 納税者と生計を一緒にしていること
  • 年間収入が108万円(64歳以下)・158万円(65歳以上)を超えていないこと
  • 子どもが経営する事業を手伝って給与を得ていないこと

※少し上記の条件が分かりづらいですが、「納税者と生計を一緒にしていること」とは、同じ財布で生活をしていることを意味します。同じ家に住んでいることが条件になるわけでありません。別々に暮らしていても、仕送りをしている場合は条件に該当します。つまり、保険者の財布で生活をしているかどうかが基準となります。

健康保険の被扶養者となる条件

被用者になるには、下記の条件をすべて満たしている必要があります。

健康保険の被扶養者となる条件

  • 納税者と生計を一緒にしていること
  • 親と一緒に住んでいる場合は、親の年間収入が130万円未満であること
  • 親と別居している場合は、親の年間収入が130万円未満であること&年間収入が子どもからの支援金額よりも少ないこと

条件に該当しても手続きが必要

健康保険の被扶養者となる条件と扶養控除を受ける条件を説明しましたが、条件に該当しているからという理由で、自動的に扶養に入るわけではありません。給与所得者の扶養控除等申告書に必要事項を記入して、会社に提出する必要があります。そのため、会社の経理担当者にその旨を伝えて相談してみてください。

親を扶養に入れるメリット

条件に該当すれば、親を扶養に入れることはできます。扶養に入れると、どのような恩恵が受けられるのでしょうか?ここでは、親を扶養に入れるメリットについてご紹介します。

所得税や住民税の控除が受けられる

親を扶養に入れた場合は、扶養控除が受けられます。扶養控除は、親の年齢や同居の有無によって金額が異なります。

親の年齢 所得税控除額 住民税控除額
70歳未満 38万円 33万円
70歳以上(別居) 48万円 38万円
70歳以上(同居) 58万円 45万円

健康保険料の節約ができる

扶養に入った75歳未満の親は、国民健康保険を支払う必要がなくなります。また、扶養者も親を扶養に入れたという理由で、支払う健康保険料が高くなるということはありません。そのため、親が支払っていた健康保険料を節約することができるのです
(※75歳以上の人は、国民健康保険ではなく後期高齢者医療制度に加入することになるので、上記は該当しません)

補足:親が若い頃は扶養に入れた方がお得

親が若くて健康的であれば扶養に入れておくことで、健康保険料が節約できます。健康保険料は年間で換算すると数十万円するので、これらを節約できるのは大きなメリットになるでしょう。また、扶養する子どもも扶養控除が受けられて、住民税や所得税の節税対策が行えます

親を扶養に入れるデメリット

親を扶養に入れるには、メリットだけではなくデメリットもあります。ここでは、親を扶養に入れるデメリットをご紹介します。

高額療養費の払戻金が少なくなる

健康保険では、1か月間に支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合に、その金額を払い戻してもらえる制度があります。この制度を高額療養費制度といいます。

医療費の自己負担限度額は、年齢と被保険者の所得によって金額が定められており、被保険者の所得が多いほど、自己負担限度額も高くなります。

親を扶養に入れると、被保険者は子どもになるため、子どもの所得額で決まります。子どもの所得が高ければ、本来、払い戻してもらえる医療費がもらえなくなることを理解しておきましょう。

介護費の自己負担額が高くなる

親が高齢になると介護サービスを利用することもありますが、介護料金の負担も軽減できる制度があります。

この制度も、自己負担限度額が設定されており、被保険者の所得によって変動するため、被保険者の子どもの所得が高い場合は、負担額が大きくなってしまいます。そのため、介護サービスを頻繁に利用する方は、扶養に入らない方がお得かもしれません。

補足:親が高齢であれば扶養に入れるのは損

日本には、高額介護サービス費支給制度や高額医療・高額介護合算療養費制度が設けられています。この制度は、所得が低いほど国からの医療費支援が受けられる制度です。そのため、扶養に入ってしまうと、自己負担額が上がってしまい損をしてしまいます。親が介護必要であったり、高齢である場合は扶養に入れることは控えましょう。

親を扶養に入れるとメリットだけど注意点も

親を扶養に入れると、健康保険料が無料になるメリットが得られるため、扶養に入れることを前向きに検討している方も多くいるでしょう。しかし、親を扶養に入れる場合には注意点もあるのでご紹介します。

親が65歳以上の場合は介護保険料が徴収される

親を扶養に入れると、親の健康保険料が節約できます。しかし、65歳以上になると介護保険料が徴収されることを覚えておきましょう。健康保険料が無料と安易に考えてしまった結果、介護保険料の負担がかかると知ったときには、大きな負担がのしかかると困り果てる人も珍しくはありません。

親が75歳以上の場合は扶養に入れない

75歳になると、社会保険から後期高齢者医療保険に切り替わるため、親を扶養に入れたくても入れることができません。それまで親を扶養に入れていた方は、75歳になったのと同時に扶養から外されることになります。

会社員でないと親を扶養に入れられない

親を扶養に入れたい気持ちがあっても、自営業やフリーランスなど国民健康保険に加入している人は、親を扶養に入れることはできません。親を扶養に入れることができるのは、社会健康保険に加入をしている会社員だけとなります。

扶養に入れるメリットは「親の状況」で変わる

今回は、親を扶養に入れるメリット・デメリットをご紹介しました。家族を扶養に入れると社会保険料が節約できたり、扶養控除が適用できて、所得税や住民税の節税対策が期待できると思いがちです。

実際に、そのような恩恵が受けられるのですが、親を扶養に入れる場合は、介護が必要になるかどうかでも変わってきます。もし、介護サービスを利用するのであれば、親を扶養に入れてしまうと介護料金の自己負担金額が大きくなってしまうのです。

そのため、親の年齢や健康状態に合わせて、扶養に入れるかどうかを検討してみてください。

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